これからはいつでも一緒 持ち運べる最高峰キーボード「REALFORCE RC1」は誰に適した製品か?
国産メーカーのキーボード最高峰と言えば、東プレの「REALFORCE」かPFUの「HHKB」と考える人は多い。HHKBは1996年の初代モデル以来、さまざまな製品が登場しているが、コンパクトな60%キーボードレイアウトという点は一貫して変わっていない。 【画像で見る】ケースやスタンドも角をなくした丸みのあるデザインとなっている 一方、REALFORCEは2001年の第1世代発売以降、一部のテンキーレスモデルを除いてトラディショナルなフルキーボードレイアウトを踏襲してきた。よって持ち運びの最高峰はHHKB、据え置きの場合はREALFORCE──と住み分けられていたともいえるだろう。 だが、ここに来てREALFORCE史上初となる70%レイアウトを採用した新製品「REALFORCE RC1」が10月に登場した。この新しい選択肢は市場に受け入れられる製品に仕上がっているのか、見ていくことにしよう。
70%キーボードの魅力
2010年代後半に省スペースキーボードが注目されるきっかけとなったのは、ゲームとの相性の良さだった。コンパクトなキーボードはマウスまでの移動距離も小さくて済み、狭いテーブルでもマウスを動かす領域を広く確保できる。 キーボードの小型化はキーそのものを小さくするのではなく、主にゲーム操作であまり使われないキーを小さくしたり、削減したりすることで実現している。そのため、ゲームの操作性に影響しないことが特徴だ。 その後、リモートワークの普及によって一般ユーザーにも省スペースなデバイスへのニーズが高まってきた。 「持ち歩きはしないまでも、自宅の限られた作業スペースでマウスとキーボードが快適に利用できる」というメリットが重要視されるようになったということだ。現在、一般的な企業が貸与するビジネスPCはキーボードを搭載しているノートPCもしくはタブレットだ。 そこにわざわざ「外付けのキーボードを付けよう」と考えるユーザーは本体内蔵/付属のキーボードでは得られないレベルのフィーリング、そして取り回しの容易さを求めていることは間違いない。 その結果、ゲーミングキーボードから始まった高品質省スペースキーボードが一般キーボードでも多く見られるようになってきたと考えられる。 省スペースキーボードではキー数によって60%キーボード、70%キーボードなどと表現されることが多い。以下の表はキーボードサイズごとの一般的な特徴をまとめたものだ。 ただし、ANSIやJISなどの規格が定められているフルサイズキーボードと異なり、省スペースキーボードはメーカー独自の設計となっているため、キーレイアウトはメーカーや製品によって違いがある。あくまで一般的な傾向として見てほしい。 省略されているキーはファンクションキー(Fnキー)との同時押しで代用することが一般的だ。そのため、キー数が少なくなればなるほど、Fnキーと併用するキーが増えることになる。 省スペースキーボードの購入を検討する人にとって、自分が多用するキーが削除されていないかどうか、あるいはFnキーとの同時押しに不便はないかといったものが選択基準の1つとなるだろう。 そういった観点では、まずFnキーがなくなり、6列から5列に変わる65%と70%の違いが大きい。そしてもう1つ、65%キーボードはEnterキーやバックスペースのような使用頻度の高いキーが右端に配置されておらず、右端にはナビゲーションキーの列が1列追加されていることも見過ごせない。これは65%キーボードだけに見られる特徴で、慣れない人は全く慣れることができないようだ(筆者は慣れなかった)。 そこで、筆者が一般用途において最適と考える省スペースキーボードが70%キーボードとなる。 ファンクションキーや矢印キーを残し、テンキーレスキーボードと同等の操作性を保ちながらコンパクトさも実現した6列配列の70%キーボードは、初めて省スペースキーボードを選ぶ人や、ノートPCの内蔵キーボードからグレードアップを図る人に特におすすめだ。そして、その70%キーボードの最高峰と考えられる製品の1つが、今回取り上げるREALFORCE RC1となる。