マーケターに使われている AIテクノロジー は?118人に聞いた「AIへの投資と活用法」
迫りくる規制によりAIの将来にもたらされる不確実性
AIの導入が急加速する一方で、将来のAIの導入方法において規制と政策が重要な役割を果たすことは間違いないだろう。現時点では、ほとんどの立法機関はAIテクノロジーとその潜在的な脅威を理解しようとしている学習段階にある。たとえば、アメリカ合衆国著作権局(U.S. Copyright Office)は、ライセンスや著作権で保護された情報や画像でトレーニングされている生成AIから生じる著作権問題に関する研究を行っている。同様に、米国の規制当局は、生成型AIがさまざまな業界や消費者に及ぼす可能性のある広範囲の影響についてを調査している。連邦取引委員会(Federal Trade Commission)は、9月22日、著者やアーティストをはじめとするさまざまな参加者を迎えて、著作権に関する懸念やその他の問題に対処するためのバーチャルラウンドテーブルを主催した。 AIを対象にいくつかの法律が制定されているが、そのほとんどは一般的なもので、AIの特定の機能やAIが生成できるコンテンツについては取り上げられていない。AIデジタル政策センター (Center for AI and Digital Policy、CAIDP) とホワイトハウスは、AIテクノロジーの一般的な開発のためのフレームワークを作成した。CAIDPは、米国のAI規制のために高レベルのフレームワークを作成する目的の米国AI法(U.S. AI Act)を支持している。また、ホワイトハウスはAIテクノロジーの開発と使用に関する大統領令を発令し、AIテクノロジーが安全である必要性を強調したが、その命令では何が安全やセキュリティを意味するのかについては詳しく述べられていない。さらに、現在の法律はAIの急成長に追いついておらず、その結果、適切な厳格さを欠いている。 データスタックスのグリグレスキー氏は、データアクセスを監督する規制機関の必要性を指摘する。「これは間違いなく、まだ多くの作業が必要な分野だ。殊に、あらゆるデータにアクセスできる上場企業と関わっている現在ではそうだ。監視組織や監視機関、データのアクセスと保管を管理する規制機関が必須だ。……それに向けた取り組みは見られるが、まだ十分ではない」。 AIテクノロジーの導入を目指すマーケターにとって、規制が今後の主な障壁となる可能性は十分にある。将来どのようなAI戦術が許可されるかについての不確実性と、ブランドの安全性への一般的な懸念があるため、マーケターの中には現時点ではAIテクノロジーに多額の初期投資を行ってAI導入の最前線に立つことに消極的な人もいる。その代わりに、現時点では、多くのマーケターは不透明なプライバシー倫理を深く掘り下げることなく、実績あるAIアプリケーションや単純なアプリケーションへの投資を選んでいる。 [原文:The State of AI: The paradigm shifts toward data for marketers] LI LU(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)
編集部