マーケターに使われている AIテクノロジー は?118人に聞いた「AIへの投資と活用法」
現在の大規模言語モデルについてのガイド
AIオプションの急増を踏まえ、このセクションでは、マーケターがベンダーの主な傾向や特長を知って選択できるよう、AIツール用の大規模言語モデル (LLM) のいくつかについて簡単に説明する。AI用語の詳細と定義については、姉妹サイトのDigidayの「DIGIDAY的『AI』用語集 2023年版」を参照してほしい。 Adobe •名称:Adobe Sensei •アクセス:オープンソースではなく、一般公開されていないが、商用に利用できるツールに搭載される。 •特長:Adobe Senseiは、Analyticsや、Adobeの画像ベース生成AIツールであるFireflyなど、多くのAdobe Suite製品に搭載される。 •注目すべきツール:FireflyはAdobeの主要なツールであり、Adobe PhotoshopやIllustratorに統合できる。画像の生成だけでなく、画像の編集も可能。 AssemblyAI •名称:LeMUR •アクセス:オープンソースで、使用分を支払う従量課金制。 •特長:音声認識において優秀だが、AmazonのAlexa LLMとは異なり、柔軟性が高く、Amazon製品スイートに関連付けられていない。ただし、AmazonのAlexaと同じ量の音声データへのアクセスはない。 •注目すべきツール:LeMURは、音声からテキストへのトランスクリプションとオーディオインテリジェンス(Audio Intelligence)という2つのツールに搭載。音声からテキストへのトランスクリプションは、フィラーワードを削除したり卑猥な言葉に対するフィルターを設定するなどのカスタマイズもできるトランスクリプションツールである。オーディオインテリジェンスは音声感情分析を提供する分析ツールで、話された内容の要約も提供する。 Amazon •名称:Alexa LLM •アクセス:現在、一般利用はできない。 •特長:音声認識に優れており、また、AlexaがほかのAPIに接続してカスタマイズされた機能を実行できるようにする。 •注目すべきツール:Alexa LLMは、主にAlexaアシスタントと統合される予定。この統合によりAlexaはさらに多くの機能を実行できるようになり、また、ユーザーと関与する際に個性を伸ばすこともできるようになる。AmazonはAIを現実のデバイスに統合している主要企業の1社である。別の例にはGoogleがある。 Anthropic •名称:Claude 2 •アクセス:オープンソースで、使用分を支払う従量課金制。 •特長:Anthropicの理念は安全指向のAIモデルを構築することである。Claude 2はブランドの安全性により注力しており、将来の規制の遵守を重視すると思われる。 •注目すべきツール:Anthropicは、企業がClaude 2に接続してほかのチャットボットを強化できるAPIも提供している。チャットボットと併せて、このAPIはテキスト生成と自動コーディングライターを作動することができる。 Google •名称:PaLM 2 •アクセス:オープンソースで、研究および商用利用の両方に対して無料。 •このLLMは、Googleの増え続ける広範なデータセットへのアクセスに加えて、多言語対応、推論(論理と数学を含む)、コーディングに特化している。 •名称:Gemini •アクセス:この記事の執筆時点では、発表されたばかりで、オープンソースでもなく、商用の利用もできなかった。 •特長:テキスト、画像、動画、音声、コードをプロンプトとして取り込む機能があり、さらに柔軟な対応ができる。 •注目すべきツール:Vertex AI(バーテックスAI)は、Googleのクラウドサービスで利用できるプラットフォームで、ユーザーが機械学習とAIツールをトレーニング・起動できるようになるツール。また、起動後のパフォーマンスを追跡するために監視もできる。現在はPaLM 2を搭載しているが、後にGeminiも搭載予定。 Meta •名称:Llama 2 •アクセス:オープンソースで、研究と商用利用の両方に無料。 •特長:このLLMは、Metaの膨大なデータセットと公開情報に基づいてトレーニングされている。Metaのウェブサイトによると、「Llama 2はMetaのユーザーデータに基づいてトレーニングされていない」ということだ。 •注目すべきツール:PyTorch(パイトーチ)はオープンソースフレームワークで、ほかのユーザーが機械学習ツールを作成・トレーニング・テストできるようになる。また、PyTorchはMetaのデータセットにも接続されている。Llama 2と同様、PyTorchも無料で、研究や商用に利用できる。 Microsoft •注記:Microsoft のツール自体はLLMではないが、LLMを向上させるために機能する。 •名称:Orca 2 •アクセス:オープンソースであり、研究目的のみ無料。 •特長:これは、比較的小規模なLLMを改善するためにデザインされたツールであり、小規模な言語モデルをトレーニングするための合成データの作成に特化している。基本的には、その小規模な言語モデルが多くの応答を作成するために使用できるデータベースを作成する。 OpenAI •名称:GPT4 •アクセス:オープンソースではなく、使用分を支払う従量課金制。 •特長:もっとも一般的に知られているLLMの1つであり、生成AIとほぼ同義になっている。テキスト生成に特化している。また、ChatGPTの一部であり画像生成用のDALL-E 3に搭載されている。 •注目すべきツール:OpenAI APIにより、ユーザーはGPT4のLLMを利用してほかのチャットボットやAIアシスタント、ほかのアプリケーションを構築できる。このAPIは、センチメントアナライザーやコンピューターコードデバッガー、自動コードライターなどほかのツールの作成にも使用されている。