5月以降の日経平均を決める最大のヤマ場が来た
■株式市場にも複雑な影響を与える原油価格 私は、昨年から今回のデフレ脱却相場の中心に銀行株を置いてきた。早い遅いはあっても、金利が上がる環境では銀行が最も恩恵を受ける業種だと思うからだ。 実は、その銀行株の人気にも原油価格が関わっている。前述のとおり、原油価格が上昇すると、日本にとって悪い円安の領域に入る。介入、そして利上げとなると、ハイテク株が下がり、日経平均株価も下がる可能性がある。 だが、その状態を救うのが銀行株になると思っている。原油が上がると銀行株も上がるという関係だ。実際、原油価格が2024年初頭の1バレル=約70ドルから現在の80ドル台へと上がる過程で、銀行株は完全に連動している。
4月に入って銀行株はやや調整を見せているが、これは約2年にわたって大きく上昇して来た相場が、3月17日のマイナス金利解除によって1つのエポック(時代)が終わったためだ。言ってみれば、金利のある世界での出発時の調整であり、決して原油価格との連動性が崩れたわけではないと考えている。 今のところ、原油価格は中東情勢が緊迫しても上値は限定的になっているが、スエズ運河だけでなく、水不足で苦しむパナマ運河の封鎖危機がなくなったわけではない。いろいろな意味で、原油価格から目が離せない。
さて、日本はGW(ゴールデンウィーク)に入ったが、世界はそれと関係なく動いている。とくに5月3日までの今週(日本は4月29日と5月3日が休日)は、重要指標やイベントがひしめく。 重要なところを拾ってみると、4月30日には中国の4月の製造業・非製造業PMI(購買担当者景気指数)と4月の財新製造業PMIが発表になる。ここで最新の中国経済の姿を確認したい。 また、ドイツの1~3月期GDP(国内総生産)もないがしろにできない。世界第3位の経済大国になった国の経済が、世界経済に影響を与えないわけはない。もちろん、ユーロ圏の1~3月期のGDPも重要だ。