あの“マールボロ・マクラーレン”よりはるかに長い43年のスポンサーシップに幕。IMPUL星野一義総監督「カルソニックは俺の人生そのもの」
マレリがTEAM IMPULとのスポンサー契約を2025年2月に満了することとなり、スーパーGT最終戦鈴鹿がラストランとなった。 【ギャラリー】“カルソニックブルー”は永久に不滅……スーパーGTを彩った『カルソニック IMPUL』のマシンたち マレリの前身となる日本ラヂヱーターが、1982年にスーパーシルエットのS110型シルビア ターボにスポンサードをしたのが始まり。以降、カルソニックと社名を変更後は”カルソニックブルー”をまとい、星野一義選手(当時)とチームをバックアップして来た。その後もカルソニックカンセイ、マレリと社名を変えながらも43年間にわたりTEAM IMPULとタッグを組んだ。最後のレースを前にした予選日に星野一義総監督を訪ねた。 「もうもちろん43年間、感謝しかないよ。マクラーレンへのマールボロ(1974~96年)よりも長いわけで、ここまで本当に長く応援してもらった。経営陣が変わっても継続してもらったし、森谷(弘史)会長(当時、現マレリホールディングス取締役)には感謝だね」 「カルソニックは俺の人生そのものだよ。あの青いカラーでIMPULだ、星野だというのが分かったからね」 「長く応援してもらったけれど、グループAなどでそれなりの結果は出して来たから続いて来たと思うよ。GTでも何度もタイトル争いに加わって一昨年にはチャンピオンを獲得できた。あれで少しは恩返しができたと思ったよ」 「『まだ星野が先頭に立ってやれ』って言う先輩ドライバーもいるけれど、その考え方は古いと思う。もう監督は一樹なんだし、表には出ずに裏でおとなしくしてるよ。厳しく言っても今の若いスタッフたちには逆効果だろうしね」 「最後のレースだけど、やっぱり最終戦までタイトル争いに残れるような状況じゃないとね。今日のプラクティスでも不調だけど、何とかいいレースをお見せしたいね。レースに感謝、カルソニックに感謝だよ!」 そう語っていた星野総監督。予選はGT500最後尾の15番手ながら、決勝ではベルトラン・バゲット、平峰一貴とつなぎ12台抜きの3位表彰台を獲得。表彰台の下で表彰式を見守る星野総監督は「いや~最後のレースでありがたいね。何かIMPULらしいとかいろいろ言われるけれど、胸の内は苦しかったよ。これをひとつずつステップアップして、来年はトヨタ、ホンダをひっくり返すぞって新たな気持ちで戦うよ。応援ありがとうございました」と少しホッとした表情を見せた。 最後尾スタートながら終盤にシケインで3位に浮上し表彰台を獲得した平峰は次のようにコメントした。 「いいレースだったと思います。マレリさんにも感謝の気持ちを込めて最後は攻め抜きたかったし。2020年にGT500に上がってカルソニック/マレリは僕を大きく育ててくれた大きなスポンサーのひとつですし、これからも絆はつながっていくと思います。ファンの皆さんの思いもあってここまで続けて来られたと思いますし、時代の流れの締めになるのかなと」 「ただこの”全開魂”とか”星野イズム”というのは、パートナーシップが終わっても続いていくと思うので、僕も受け継いで戦っていきたいと思います。一昨年のタイトル獲得があったからこそ、僕らは頑張ることができましたし、これからも頑張ります」と語った平峰。気持ちは既に来季に向いているようだった。
皆越 和也
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