袴田さん再審無罪は「2024年を“象徴”する判決」 証拠のねつ造、えん罪…捜査機関の“無謬神話”崩れた1年
捜査機関の“無謬神話”「崩れた1年」
今年8月、大阪高裁は、被告人に不当な取り調べを行ったとして元特捜検事に対し「特別公務員暴行陵虐罪」で審判に付す決定を出した。また、今年10月に出された「福井中3女子殺害事件」の再審決定(10月23日 名古屋高裁金沢支部)の中でも、当時の取り調べ・裁判において、検察官が証拠を隠すことでうその証言を無理やり通そうとした事実が裁判所によって指摘され、「検察官としてあるまじき、不誠実で罪深い不正の所為と言わざるを得ず、到底容認することはできない」と批判された。 杉山弁護士は今年を振り返り、「警察にも検察にも、法を守らず、平然と事実をねつ造する人間が混ざっていることが前提に置かれ、捜査機関の無謬(むびゅう)神話が、法制度の中でもオフィシャルな形で崩れていった1年だったと思います」と締めくくった。
弁護士JP編集部