来年定年を迎えますが、自宅は持ち家で「築32年」です。老後はこのまま住み続けるべきですか? 妻と2人ですし「賃貸」に引っ越すべきでしょうか…?
老後を迎えるにあたり、さまざまな準備を始める人は多いのではないでしょうか。 住まいの問題もその1つにあげられます。結婚とほぼ同時期に家を購入した場合、定年時には築年数が30年を超えるというケースは少なくありません。 老朽化や使い勝手などを考え、住み替えを検討する人は多いものです。今回は、夫婦世帯が老後を迎える前に考えておきたい住まいについて解説していきます。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
定年退職後に賃貸に住むメリットとデメリット
住宅ローンが完済している場合、持ち家を売却する手続きはそう難しくはありません。そこで、定年退職後に家を売り、賃貸物件に住み替える際のメリットとデメリットを紹介していきます。 ◆メリット 家を売却できれば、売ったお金を老後資金にあてられます。預貯金が十分でない場合でも、まとまった資金を作れるのはメリットです。広い家を手放して手頃な間取りのマンションなどに引っ越せば、掃除の手間もそれほどかかりません。共用部分の掃除や故障の際の修繕は、管理会社が行ってくれるのもメリットです。 ◆デメリット 賃貸の場合、高齢世帯との契約に消極的な場合もあります。特に退職後となると、なかなか物件が決まらないことも想定しておいた方がいいでしょう。1番のデメリットは、毎月家賃がかかることです。 例えば、2LDKや3DKの集合住宅を都内で借りるとすると、23区外では1ヶ月9万円ほどはかかります。1年だと「9万円×12ヶ月」で108万円の出費です。 厚生労働省が発表している「令和4年簡易生命表」では、男性の平均寿命は約81歳、女性の平均寿命は約87歳になっています。夫が60歳のときに9万円の物件を契約し、平均寿命まで21年住んだとすると「108万円×21年」で2268万円の家賃が必要です。 更新手数料や家財保険などを考えると、それ以上かかります。かといって家賃の額を下げようとすると、築年数が古い物件に住むが一般的です。それでは、持ち家を手放す意味がありません。