日本でも導入検討。アメリカ人はどう過ごす?サマータイムのある暮らし
サマータイムありきのライフスタイル論
米国ではすでにサマータイムが長らく実施されているので、技術的なシステム上の問題が議論の中心になることはほぼないといっていいでしょう。健康への影響や省エネ、経済効果をめぐる議論も当然ありますが、これについては肯定派と否定派ともども、「ある」という部分はある程度一致しています。異なるのはそのインパクトがどれほどかという部分。「大してない」というデータを示すか、「かなりある」というデータを示すかの違いです。 サマータイムが「生活の質」を上げるのか、下げるのか、あるいは生活を便利にするのか、不便にするのか。そしてサマータイムは楽しいのかどうか。米国におけるサマータイム論は、ビジネスや技術に関すること以上に人びとの日々の暮らしと直結しているように感じます。それゆえ個々の感情により訴える話題なのかもしれません。 一方、これから導入の是非が検討される日本では、社会的、技術的なシステム、健康、エネルギー、そして経済上の一般論に終始しているような印象を、マスコミに登場する「識者」の意見からは受けます。 NHKが今年8月初めに行った世論調査によると、51%が東京五輪の暑さ対策としてサマータイムに賛成しているそうです。お上や識者ではなく、そんなフツーの日本人の「下から目線」なサマータイム論が、もっと日常生活レベルで大いに議論されてもいいのかな? と感じました。実際に導入してみないことには、なかなかサマータイムありきのライフスタイルを想像するのは難しいですが、すでに導入されている地域や国の人たちの考え方や意見も大いに参考になると思います。 あと、最後にひとつ……。1時間時計をずらすだけでも、これだけ議論が白熱するサマータイム。一気に2時間はさすがにないな、と個人的には思います。今回話を聞き、サマータイム大好き! だった人たちも、日本では2時間という話も出ていると言ったら、「それはさすがにキビシーね」と一様に驚いていました。そもそも五輪の暑さ対策ということで出てきた数字なのでしょうが、星空映画上映もさすがに夜9時までは待てないし、朝も8時過ぎまで暗かったら、体内時計がずれまくりのまま一夏を過ごしてしまうような気がしないでもありません。2時間はやっぱりちょっと大胆すぎはしませんか?