日本でも導入検討。アメリカ人はどう過ごす?サマータイムのある暮らし
サマータイムをめぐる世論調査の結果は?
米国人はサマータイムについて実際どう思っているのでしょう。プリンストン国際調査協会が2017年3月に実施した電話調査によると、55%はサマータイムを全く問題なしと回答し、かなり問題ありとしたのはわずか13%でした。 3年ほど前にCBSニュースが実施した調査でも54%が現状維持に「オーケー」あるいは特に意見なしと回答したそうで、これを見る限り、サマータイムの廃止に対する市民レベルの機運みたいなものは特にないと言ってよさそうです。変化を求める人たちも、完全廃止派と通年サマータイム派に分かれているといいます。 CNNの記事によると、2007年にサマータイム期間が拡大されたことについても、同じくCBSニュースの2010年の調査で54%がこれを肯定しました。当時、「ブッシュ大統領のやっていることは何もかも嫌いだけど、サマータイムを早めてくれたのだけは素晴らしいわ」と言っていた知り合いの言葉を思い出します。ちなみに公式理由は原油価格の上昇に対応した省エネ対策ですが、彼女は単にサマータイムが好きだったからそう言っていたのであって、その効果を特に信じていたわけではありません。 記事では1937年に世論調査大手のキャラップが初めてサマータイムについて調査した時も、51%が肯定と否定の37%を大きく上回ったことに触れています。その後行われた「高品質」な調査でも常に肯定派が上回ってきたそうです。
米国版2チャンネルでも活発な議論
もっと具体的な一般の米国人の声を拾うため、「米国版2ちゃんねる」のネット掲示板レディット(Reddit)で、サマータイム関連の最新投稿をチェックしてみました。サマータイムをなんの不満もなく楽しんでいる人は現状維持派ということで、おそらくわざわざ掲示板にトピックを上げることはあまりないだろうと想像はつきます。というわけで、全体的に反対派の意見が多いことを前提としても、なかなか色々な意見が投稿されていました。たとえば…… ── どっちでもいいけど統一してほしい。 と、年に2回も時計が動くのは不便だ、という人はやはり一定数いるようです。ただし、こういう意見に対しては、 ── 時計を年に2回変えなきゃいけないのが面倒だっていうヤツもいるけど、今時ほとんどの時計はインターネットに繋がっているんだから自動で変わるだろ。 ── 慣れるまで2日くらい必要なだけじゃん。それくらいどうでもよくね? といった反応も。すでにサマータイムが導入されて久しい米国では、社会の大きなシステム上のことよりも、個人的な日常生活レベルでどう感じるかどうかを中心に議論が展開されている感があります。 あとは広大な米国ならでは、なご当地的サマータイム論も多々みられました。 ── 夏にエクストラでレクリエーション時間があるのはいいよね。でも北部のウイスコンシン州に住む人間としては、4時半には真っ暗になる12月も1時間長いといいな。 ── っていうか、なんで夏にやるんだ? ほとんど10時くらいまで明るいじゃん。9時まで明るければ十分なんだけど。むしろ5時半には真っ暗な冬に1時間ほしいって。 ── いや、いい季節だからこそ1時間が生きるんだよ。冬なんかいくら明るくたって寒すぎて結局に何もできないじゃん。 ── それは平均温度が27度くらいの場所だからいえることだろ。(アリゾナ州の)フェニックスなんて昼は48度、夜だって35度だぜ。だからちょっとでも早く暗くなる方がみんな外にだって出られるってもんなんだ。 ── でも、サマータイムがないと朝4時には明るくなるよ。それは勘弁してほしい! そしてそれまでの方針を変更して2005年からサマータイム時間に参加したインディアナ州からの投稿は…… ── サマータイムがなかった時は、テレビ番組が(サマータイムにあわせて)1時間ずれるのが嫌だったわね。でも、サマータイムが始まったら子どもがスクールバスを待っている間もまだ暗いの。