日本でも導入検討。アメリカ人はどう過ごす?サマータイムのある暮らし
ニューヨーカー流・夏の夕べの楽しみ方
今回、サマータイムについての考えを周囲にいる人たちにも聞いてみたところ、ほとんど肯定派しかいませんでした。日が長ければそれだけ夏の夕べを楽しめるからそれに越したことはない、というわけです。遊びのことだけではなくて、たとえ仕事で遅くなっても、まだ外が明るいというだけでうれしいという人も。 東海岸の都市部に住む人たちなので、アメリカ全体の考えを広く代表しているとはまったく言えませんが、確かにニューヨーカーを見ている限り、サマータイムを満喫しているなあと実感する場面は多々あります。 筆者にはまだ小さい子どもがいるので、サマータイムになって気づく変化はまず公園です。夜6時、7時になっても結構な数の子どもが遊んでいるようになります。何しろまだ明るいので、大人が「帰るよ!」なんて言ったところで子どもたちも簡単には納得してくれませんし、大人だって心地よい陽気にひたっていたい。 それで特に金曜日の夕方ともなると、公園のあちこちで「ピザナイト」が始まります。要するにピザを買ってきて公園でディナーを(親子で)済ませ、それこそ8時過ぎまで遊び続けるのです。ニューヨーク市の公立学校の給食は金曜日がピザと決まっているので、子どもは昼も夜もピザですが、その辺はサマータイム限定ということで目をつぶります。 期間が限定されているから、親も「ま、いいか」と気がゆるむのかもしれませんね。子どもも大人もリラックス、夏の夕時にはそういう魔力がある気がします。ちなみに柵に囲まれたいわゆる子ども用の公園「プレイグランド」が開いているのは「午前8時から日没まで」。なので、夏は水遊び用の噴水を管理人さんが止めて、門をしめるのが9時近くになることも。 他には公営プールが夜7時まで開いていて、真夏の暑い日ともなれば、最後まで結構泳いでいる人がいます。植物園などで開催されるピクニックナイトも人気です。「ナイト」といってもまだ明るく、とはいえ暑さの少し和らぐ午後6時くらいから日没まで、シートとお弁当、ドリンク類などを思い思いに持ち寄る野外イベントですが、少しくらいの夕立ちでも人の集まること! とにかく夏の夕べを外で楽しむんだ! という気迫さえ感じます。 そして市内の各地で頻繁に行われるのが星空映画上映会やコンサート。公園やピアなどで大小様々な無料イベントがひと夏中続きます。たとえば映画などは暗くならないと始められないので、夜8時過ぎの上映開始となり、終わるのも10時半近くですが、ほとんどが平日のイベントにもかかわらず、どこもかなりの賑わい。大規模なものになると、午後6時くらいからバンド演奏などのエンタメも用意されているので、ピクニックをしたり、子どもは公園内をとにかく走り回りながら(?)暗くなるのを待ちます。スポンサーがついていて、ポップコーンや飲料水などが無料で配布されていることも多く、なぜか子ども用のバックパックまで配布された日もありました。