【解説】なぜ“報復の応酬”に? イスラエルがイラン攻撃か…イラン中部で複数の爆発音 今後は
■イスラエルとイラン“攻撃の応酬” きっかけは大使館施設への攻撃?
鈴江キャスター 「このように長い間、敵対関係にあるイスラエルとイラン、なぜ互いに直接攻撃する、どちらも攻撃するという一線を越えたと考えられますか?」 東京大学・中東地域研究センター 鈴木啓之 特任准教授 「イスラエルとイランについては、武力を介した政治的メッセージのやり取りというのを、これまでも続けてきていたんですね。 イスラエルの周辺にいる(イスラム教シーア派組織)『ヒズボラ』であるとか、(イスラム組織)『ハマス』といった武装勢力をどうやらイランは支援をしているらしい、そのようにイスラエルとしては考えています。 そして、イラン国内で特に各関連施設では爆発であるとか、または“スタックスネット”と呼ばれるようなウイルスによるサイバー攻撃などが行われてきていた。 お互いに、直接的には関わらないけれども、攻撃をしているのは相手側だろうというふうに理解をするような関係が続いてきたんですが、やはり、4月1日のシリアでの大使館施設への攻撃、これが、“一線を越えた”というふうに言えると思います。 イスラエルとしては、大使館であろうとなかろうと、その場所にイランとその他の武装勢力を結びつけるような、重要な人物…革命防衛隊の幹部と言われていますけれども、その人物がいるということがわかった。それに対して、攻撃を優先した、ということです。 しかし一方で、イランとしては、大使館が攻撃を受けた、ここの部分を非常に重く受け止めたというのが実際のところだと思います。自国領が攻撃されたのと同じとみなす、これによって、4月13日、土曜日の夜半、イスラエルに対して直接的に攻撃を行うということに乗り出しました。 ただ、300発撃ったといわれているドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイルなどの大半は撃墜をされていますので、あくまで、この段階でもイランとしては武力を介してイスラエルにメッセージを出している、そうした対応をしているのかなというふうに評価しています」