「ゴジラ-1.0」 が米アカデミー賞・視覚効果賞 低予算でなぜハリウッドを超えた?【WBS】
年齢関係なく意見をぶつけられる現場
そしてもう一つ受賞の原動力となったのは、「白組」の制作現場の”環境”です。 2023年11月の取材で、山崎監督が紹介してくれたのは25歳の若きVFXクリエイター・野島達司さん。作品を象徴する海のシーンを手がけました。 クオリティーへのこだわりは、山崎監督を圧倒することも。 「野島さんは誰よりも監督に提案を忌憚なくするとのことですが」(田中瞳キャスター) 「提案というと優しい言い方ですごいブーブー言う」(野島さん) 「『このカットは良くないので直させてもらっていいですか』とか」(山崎監督) 「勝手に直しました」(野島さん) 「一番言うやつです。勝手に直して見せて『どうですか?』と。ぐうの音も出ない」(山崎監督) 年齢や経験などに関係なく、意見を自由にぶつけることができる現場。この環境で野島さんは当初から世界を見据えていたといいます。 「CGが気にならないようにしたい。クオリティーが低いとか、予算がなかったのかなとか、思ってほしくない。世界の人に見てもらわなくてはいけないので」(野島さん) 「誰でも意見を言えるような現場にするのが自分の中ではテーマ。だって、良いに越したことはない」(山崎監督)
8万円の「ゴジラの靴」
日本の作品の受賞に、日本国内でも喜びの声が広がっています。東京・日比谷にあるゴジラ像の前には記念撮影をする多くの人がいました。 「アメリカのゴジラより先に視覚効果賞を取った。うれしい」 今回の受賞で注目が集まる意外な商品もあります。山崎監督たちが、アカデミー賞の授賞式で履いていた「靴」。よく見ると、かかとの部分にゴジラの手がついていました。 デザインしたのは日本のアパレルメーカー「ha | za | ma(ハザマ)」。東宝からの依頼で、ゴジラシューズをデザインしました。 「履き心地としては通常のブーツと変わりないですね。ただ足もとを見ると、後ろに強力なサポーターがいるような、ちょっと強くなった気分になります」(田中キャスター) ゴジラシューズは去年限定販売し、値段は8万円台から。アカデミー賞受賞を受けて、100足ほど追加販売する予定ですが、デザイナーの松井諒祐さんによれば「問い合わせが1000件くらい来ている。海外の人から、売ってないのかという問い合わせも。もちろん世界に進出したい。興味を持たれているのは間違いないので、できる限りのことをやってリーチしたい」と話します。 日本映画「ゴジラ-1.0」が開いた新たな扉。これまで国内中心だった日本の実写映画は今、受賞で大きな転換点を迎えています。 「日本の映画が、海外でも興行をしていければ、日本の映画の環境が変わっていく。僕らで変えていかなければいけない」(山崎貴監督) 山崎貴監督は、3月15日(金)にWBSに生出演する予定です。 ※ワールドビジネスサテライト