医療現場が大激変! この先「病気では死なない時代」がやってくる…近い未来に予測される「AI診断」その驚きの現場
『2050年には全5261万世帯の44.3%に当たる2330万世帯が1人暮らしとなり、うち65歳以上の高齢者が半数近くを占める』 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言 先月に厚労省の国立社会保障・人口問題研究所が公表したこの数字は一時Xでトレンドにランクインするなど、衝撃の波紋が広がっている。 “人生100年時代”と言われる一方で、歯止めの効かない少子高齢化が進む日本。先行きの見えない状況下で老後を迎えるにあたり、私たちはどう備え対処していけばよいのか。 お金、健康、法律など、各専門分野のスペシャリスト8人が老後を解説する『死に方のダンドリ』ではそんな備えと対処について詳細に明かした一冊だ。本稿でその一部を抜粋・編集。「老後困らないためのヒント」をお伝えする。
「死なない時代」を後押しするAIと予防医学
これからは、致死的な病気を治すだけでなく、病気の原因そのものを断って病気にかからなくする「予防医学」が発達していきます。その分野で大きな役割を果たすのが「遺伝子解析技術」です。 遺伝子解析技術と個々の病気の知見を組み合わせて遺伝子の異常を調べ、早期に特定の病気を察知し、予防につなげることがすでにできるようになっています。 アメリカ人俳優のアンジェリーナ・ジョリーさんは乳がんと卵巣がんの発生率が高くなるとされる遺伝性乳がん卵巣がん症候群の原因遺伝子であり、かつ、がん抑制遺伝子でもあるBRCA1に変異が見つかり、今後乳がんになる確率が87%と診断されました。 母親が56歳の若さで卵巣がんによって亡くなっていることもあり、ジョリーさんはまだがんになっていない両側の乳房切除を決断し、実際に手術を受けています。 患者さんの遺伝子を解析することで、将来がんを発症する人にはどんな遺伝的な特徴があり、実際に発症した場合はどんな大きさでどのくらいのスピードで病気が進行するかまでわかるようになっているのです。 「エピゲノム」の研究も、病気の予防に大きく貢献すると考えられています。 エピゲノムは食事、運動、生活リズムなどによって遺伝子(ゲノム)の働き方をコントロールする仕組みです。現在、世界中でエピゲノム研究が進んでいますから、2030年ごろにはオーダーメイドの病気の予防が可能になると考えられます。 つまり「あなたはこういう病気になりやすいので、こういう食事をしたほうがいい」といったことが個人単位でわかるようになり、それを病気の予防や健康維持に生かせるようになります。