宣言全面解除 安倍首相が会見(全文1)全国的に基準クリアしたと判断
どうすれば実施できるかという発想が重要
あらゆる活動について感染防止対策を講じることを大前提に本格的に再開していく。感染リスクがあるから実施しないのではなく、これからは感染リスクをコントロールしながら、どうすれば実施できるかという発想が重要であると考えます。学校については文部科学省が、分散登校など再開に向けた指針をすでにお示ししています。100を超える業種別の感染防止対策ガイドラインは事業活動を本格的に再開し、新たな日常をつくり上げていくための道しるべであります。事業者の皆さんには、これを参考に事業活動を本格化していただきたい。政府もガイドラインに沿った感染防止の取り組みに100%補助を行うなど、最大150万円の補助金で、まちの飲食店をはじめ、中小・小規模事業者の皆さんの事業再開を応援します。 ガイドラインを完全に守って行動したとしても感染リスクをゼロにはできない。試行錯誤も覚悟しなければなりません。感染を抑えながら完全なる日常を取り戻していくための道のりはかなりの時間を要することになります。本当に多くの事業者の皆さんが、この瞬間にも経営上ぎりぎりの困難に直面しておられる中で、さらなる時間を要することは死活問題である。そのことは痛いほど分かっております。それでも希望は見えてきた。出口は視野に入っています。その出口に向かってこの険しい道のりを皆さんと共に乗り越えていく。事業と雇用はなんとしても守り抜いていく。その決意の下にあさって、2次補正予算を決定いたします。
事業規模は200兆円超
先般の補正予算と合わせ、事業規模は200兆円を超えるものとなります。GDPの4割に上る空前絶後の規模、世界最大の対策によって、この100年に一度の危機から日本経済を守り抜きます。総額で130兆円を超える強力な資金繰り支援を実施します。経済全体を牽引する大企業、地域経済を支える中小企業、オンリーワンの技で成長の原動力となってきた中小企業。規模の大小にかかわらず、政策投資銀行や公的ファンドを通じて、劣後ローンや出資など、資本性の資金を供給します。身近な地銀、信金、信組などによる、実質無利子、最大5年元本返済据え置きの融資も進んでいます。必要な方に1日も早く、支援を1日も早くお届けできるよう全力を尽くします。 こうした企業への資金繰り支援について、日本銀行が総額75兆円の新たな支援プログラムを先週決定しました。そして今後とも政府と日本銀行が一体となって事態を収束させるために、あらゆる手段を講じていく。その決意を異例の共同談話として発表いたしました。まさにオールジャパンで圧倒的な量の資金を投入し、日本企業の資金繰りを全面的に支えてまいります。 事業を存続するために待ったなしの固定費負担も大胆に軽減していきます。人件費への助成を世界で最も手厚いレベルの1万5000円まで特例的に引き上げます。雇用をされている方が直接お金を受け取れる新しい制度も創設します。店舗の家賃負担を軽減するため、最大600万円の給付金を新たに創設します。使い道がまったく自由な最大200万円の持続化給付金についても対象を拡大し、本年創業したばかりのベンチャー企業の皆さんにもご活用いただけるようにいたします。地方の実情に応じた事業者へのきめ細かな支援も可能となるよう、地方創生臨時交付金も2兆円増額いたします。コロナの時代の新たな日常を、その的に向かって、これまでになく強力な3本の矢を放ち、日本経済を立て直してまいります。経済再生こそがこれからも安倍政権の一丁目一番地であります。 ただ1点、強調しておかなければならないことがあります。それは、緊急事態が解除されたあとでも私たちの身の回りにウイルスは確実に存在しているということであります。ひとたび気を緩め、ウイルスへの警戒、感染予防を怠った途端、一気に感染が広がっていく。これがこのウイルスの最も怖いところです。感染防止を徹底しながら、同時に社会経済活動を回復させていく。この両立は極めて難しいチャレンジであり、次なる流行の恐れは常にあります。