TG戦コリジョン問題でアウトと判断する審判もいた!
日本野球機構(NPB)の杵渕セ・リーグ統括と友寄審判長が13日、横浜スタジアムを訪れ、試合前に阪神のフロント並びに金本監督に対して、11日の阪神ー巨人戦で起きたコリジョンルールの適用に関しての説明を行い、直接意見交換を行った。 阪神ー巨人戦の3回二死二塁で、脇谷の中前打で二塁走者の小林が本塁に突入、中堅の大和の好返球を原口がタッチして、一度はアウトの判定が下ったが、巨人の高橋監督の抗議を受け、ビデオ判定の後、コリジョンルールが適用されてセーフに判定が覆っていた。 阪神は「走路に入らないと捕球できなかった」と抗議、NPBに対して意見書を提出。この日、機構側は、あらためて「当該審判は、原口選手がベースをまたいで走路をふさがなくても捕球できたと判断した」と説明したが、友寄審判長は、「初めてのプレー。審判部で映像を共有したところ、あのまま(コリジョンを適用せずに)アウトの判定で良かったのではないかという意見もあった。審判の判断は全部が全部、同じではない。今もできる限り同じ基準で同じ判断に近づくようにしているが、持ち帰って、今後はあのようなケースをどう判断するのかを検討、研究して、できるだけすみやかに判断をまとめて結論を出したい」というNPB側の意向を明らかにして、阪神側に伝えた。 アグリーメントには、捕手が送球を守備しようとして走者の走路をふさぐ結果になった場合を認めているが、 そのケースの判断が一番難しく、審判の判断にゆだねられている。今回は認めなかったわけだが、審判団の間では、“金本ケース”として今後は認めるのか、それとも認めないかを議論して、ひとつの判断基準にしたいというのだ。 曖昧なコリジョンルールの適用現状に一石を投じた阪神の意見書の意義は大きかったが、今更感が強く、機構と審判部の準備不足をさらけだすような事態になった。 しかも「時間をかけることなく早く対応したい」と杵渕統括は語ったが、その具体的な時期も示されず、「今回のような場合の判断基準が変わるか、変わらないかもわからないが、決めた判断を共有したい」という。またガイドラインでは「明らかなアウトのタイミング」ではコリジョンルールを適用しないとされているため、阪神は意見書に「明らかなアウトのタイミングだったのではないか」と疑問を記した。その点についても「明らかなアウトのタイミングとは、基本的にミット、グローブを捕球後、動かさずアウトにすること。それぞれ見方が違うが、この前のは明らかなアウトのタイミングではなかった」と返答したという。 またコリジョンルールを適用した場合、場内での説明が不十分で、現場だけでなくファンからも不満が続出しているが、友寄審判長は、「場内放送に関してのご意見ももらっている、今後細かく説明するか、今までいいのか。これも持って帰って検討したい」と、検討課題であることを明らかにした。