人はなぜ「◯◯界のロールス・ロイス」を目指すのか? 最高であり文化の香り漂うのは「ベル・エポック」という豊かな時代に誕生したから!?
永久の遺産
ロールズとロイスは「世界最高のクルマ」を作るという使命を果たした。彼らは、世界中の超高級車を定義し、今もなお名門の自動車会社と誰からも認識されている。 しかし、おそらく彼らの最高の功績は、ロールス・ロイスという言葉が卓越性を表す世界的基準として使われるようになったことだろう。1904年以来、発明されたあらゆる製品、サービス、装置、技術は、その業界や分野で「~界のロールス・ロイス」となることを目指してきた。120年前にロールス・ロイスが設定した基準は、今もなお、彼らが創設した会社を含め、あらゆる場所で革新と改善の原動力となっている。 AMWノミカタ ロールス・ロイスは自動車という工業製品を作りながらも、他の自動車メーカーとは異なる、そこはかとなく上品で知的な文化・芸術の香りが漂うブランドであるとこれまでも感じていた。その要因のひとつには「ベル・エポック」と呼ばれる19世紀末から第一次世界大戦までの経済的にも文化的にも栄華を極めた時代に誕生したという時代背景も影響しているのではないかと思う。豊かだからこそ人々がより良いものを求め、豊かだからこそ新しい発想が生まれ、豊かだからこそそれを具現化できる。良い時代に偶然に偶然が重なり合って誕生した奇跡のブランドがロールス・ロイスだが、プロダクトに触れると当時の空気感も今のグッドウッド工場で作り出せるのではないだろうかとさえ思わされる。