負けたモリカワ、放送禁止用語で悔しさあらわ「ひどい言葉で申し訳ない…」松山英樹に完全脱帽【武川玲子コラム】
◇「ゴルフ米ツアー見聞録」 2025年のPGAツアー開幕戦「ザ・セントリー」(2~5日・米ハワイ州)は、日本勢で唯一出場した松山英樹が最終日に65と伸ばし通算35アンダーとツアーの最多アンダーパー記録を達成、通算11勝目を飾った。その松山を1打差で追いかけたのはコリン・モリカワ(米国)。戦いは3日目から松山とモリカワのほぼ一騎打ちで、第3ラウンドはともに62の好スコア。松山が1打リードで最終日を迎えた。 少し風の出た最終日ながら65をマークした松山に対しモリカワは67、結果は松山に3打及ばず2度目の2位に甘んじた。モリカワは通算32アンダーで、これはPGAツアー歴代4位の最多アンダーパー。それでも同じく2位だった23年に続き勝利を逃し、悔しさいっぱいだった。 松山の神懸かった好プレーについて尋ねられると「ひどい言葉で申し訳ない…」と前置きして、「くそっ!」などに該当するいわゆる英語の放送禁止用語を発した。それほど悔しかったモリカワは「35アンダー、それはすごいスコアだ」と松山に完全脱帽だった。 27歳のモリカワは全米プロ選手権(20年)、全英オープン選手権(21年)のメジャー2勝を含む通算6勝を挙げているが、23年のZOZOチャンピオンシップで勝利したのが最後、昨年は未勝利に終わった。「この負けは数時間か、一日たたないと立ち直れない」と声を絞り出した。 モリカワには大会が開催された「カパルア」で勝ちたい多くの理由がある。23年8月に大規模な山火事が起きたマウイ島のラハイナは同コースからわずか15分の場所。そこにはモリカワの日系米国人の祖父が「レストラン・モリカワ」を営んでいたから、モリカワにとっても故郷とも言える土地。同年のプレーオフでは1バーディーにつき1000ドルの寄付をすぐに開始している。 「勝つのは本当に難しい。でもドアをたたき続ければ必ず勝てる。できればそれがすぐに来てほしい」と話すと集まったファンに最後までサインをし続けたモリカワ。きっと勝利の日は遠くない。 (全米ゴルフ記者協会会員)※写真はAP
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