【陸上】廣中璃梨佳1年ぶり10000m「楽しく走れた」初の長期離脱に「逃げ出したい」心境明かす/エディオンDC
◇エディオンディスタンスチャレンジin大阪2024(12月7日/大阪・ヤンマースタジアム長居) エディオンディスタンスチャレンジの上位成績をチェック! 日本グランプリシリーズG2のエディオンディスタンスチャレンジが行われ、女子10000mは菅田雅香(日本郵政グループ)が31分42秒28をマークし、全体トップとなった。 10000m日本歴代2位の30分39秒71を持ち、東京五輪・世界選手権代表の廣中璃梨佳(日本郵政グループ)は、32分29秒74で6位だった。 ケガのため長期離脱していた廣中。10000mは1年前の日本選手権以来の出場となった。目標としていた日本選手権の申込資格記録となる32分25秒00には僅かに届かず悔しさをにじませるも、「どのくらい走れるか不安の中でのスタートでしたが、今年の中では一番楽しく走れたことは収穫です」と笑顔を浮かべる。 中学時代に駅伝で鮮烈デビューを飾ってから、世界大会の日本代表となるまで、その競技人生でこれほど長く休んだこともなければ、故障、脚の痛みに苦しんだことなかった。「逃げ出したい、辞めたい」。そう何度も心の中で葛藤があったと打ち明ける。それでも周囲の支えがあり、大好きなトラックへと戻ってくることができた。 夏以降から徐々に練習を再開。復帰戦となった2週間前の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)でも最長区間の3区(10.6km)を務めて区間2位で走れているように、「距離への不安はなくなりつつあります」。だが、「まだ呼吸と動きがマッチしていません」と打ち明ける。 1週間前の日体大記録会の5000mでも15分33秒25と復調の兆しを見せているが、この日も「レース中は呼吸は全然苦しくないのですが、動き、スピードにつながらい」と言い、「前半から思ったようにエンジンがかからなかった」と話すように、スタート直後から先頭集団から離れてのレースとなった。 それでも、「クイーンズ駅伝から3週連続で脚の痛みなども出ずレースを走れたの良かった」と前を向く。今後は、「日本選手権の10000mに出たい気持ちが強いので、どこかでタイムを切れるよう練習を積んでいきたいです」と力強く話した。 日本長距離界トラックのエースが、完全復活に向けてスタートを切った。
花木 雫/月刊陸上競技