金利上昇の中で、初心者向けのお金の増やし方をファイナンシャルプランナーが解説。元本保証の「個人向け国債」に注目を
所得税がかかるボーダーラインを表す「年収103万円の壁」という言葉に注目が集まっています。共働き夫婦にとって避けては通れない<お金の悩み>について、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは「夫婦生活はお金がかかる。だからこそ『話し合い』や『見える化』しないと、共働きでもお金は貯まらない」と指摘します。そこで今回は、柏木さんの著書『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』から「個人向け国債」について解説します。 【図】個人向け国債は、固定型と変動型の2種類。2つの違いと特徴は… * * * * * * * ◆まずは「変動金利の国債」を買ってみましょう 「個人向け国債」は安心、安全の元本保証 貯金では定期預金の金利が上がったとしても、少しずつでしょう。あまり大きな期待はできません。 そこでおすすめなのは「個人向け国債」です。原則元本保証なので安全に運用したいと考える人には向いています。 国債には固定型と変動型があります。これから金利が上がることが予想される局面では、変動型だと利回りが上がり、プラスになることが期待されます。 国債の変動型は10年ものがあります。変動10年は毎年2回金利が見直されます。 これから10年間は、金利は上がることが期待されますので、毎年2回、その金利が利子として受け取れるのです。しかも万が一、長期金利が下がっても、0.05%が保証されています。 一方の固定型には3年と5年ものがあり、その国債が発行された時の金利で固定されます。 例えば、固定3年と固定5年は基準金利が0.05%となっている場合、0.05%で確定しており、それ以上の増減はありません。 3年後、5年後に旅行したいとか、何かイベントがある場合は、固定型もありでしょう。
◆今後、金利上昇がますます進むと…… 今後、金利が上がるとすると、半年ごとに決まる変動のほうが早く上がりますが、金利上昇がもっと進めば、いずれ固定3年や固定5年の国債の金利も上がる可能性があります。 日銀の植田和男総裁は、国債の買入れを少しずつ減らし、国の保有残高も減少していくとしています。 日銀が国債買入れを減らしたり、市場で国債や手形を売ったりすると、結果的に市場の通貨流通量を減らすことになり、金利を上昇させる効果があります。 これを「売りオペ(売りオペレーション)」と言いますが、インフレで物価上昇の傾向にある時には、物価を下落させるために実施する方法です。 日銀の国債に対する態度には曖昧な点が多いですが、今後は長期金利が上昇傾向にあることは間違いありません。 内閣府は「中長期の経済財政に関する試算」にて、2030年度に10年国債利回りが2.7%に上昇する成長実現ケースを示しています。