“池袋暴走事故”無罪主張にデヴィ夫人怒り「法の忖度あってなるものか」
デヴィ夫人(80)が8日、自身のツイッターを通し、昨年4月に起きた東池袋自動車暴走死傷事故で自動車運転処罰法違反(過失致死傷)罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長・飯塚幸三被告(89)を厳しく非難したことがネット上で大きな反響を呼んでいる。
デヴィ夫人「罪の重さを知るべき」と怒り
事故は昨年4月19日に東京都豊島区東池袋で発生。飯塚被告が運転する車が暴走して信号を無視し交差点に進入、横断歩道を渡っていた歩行者・自転車らを次々とはねたもので、松永真菜さん(当時31)と娘の莉子ちゃん(同3)を死亡させ、通行人9人を負傷させた。 この日、東京地裁で開かれた初公判で飯塚被告は亡くなった2人の遺族と負傷した被害者らに陳謝したうえで起訴内容については否認し、「車に何らかの異常が生じ暴走したと思っている」として無罪を主張した。検察側は、被告の車は半年ごと点検を受け、その際にアクセルやブレーキに異常はなかったとしている。 同事故においては、飯塚被告が自身も胸骨骨折など重傷を負い約1ヵ月間入院、逃亡の恐れもないとして逮捕はされずに任意で捜査が進められ、事故の約10ヵ月後に在宅起訴された。飯塚被告が元官僚であることから、一部ネット上で「上級国民」と呼ばれ、だから逮捕されなかったのではと批判の対象になっていた。 デヴィ夫人の断罪ツイートの背景にはそういった状況やネット世論が影響しているものと思われ、「恐るべき厚顔無恥な“上級国民”」などと厳しい言葉で非難。暴走の原因は車の異常にあるとして無罪を主張したことについて、「車の生産者は彼を訴えるべき。人の命を何だと思っているのだろう。悔い改め、罪を認めて罰を受け、被害者に心から謝罪すべき」としている。さらに3時間ほど間を置いた2つめのツイートでは、「食事の予約に間に合わないと暴走し、人を蹴散らし死傷者まで出しながら無罪を主張なんて人命軽視も甚だしい!死者は二度と生き返らない。極刑をもって自身の罪の重さを知るべき。さもなくば被害者母子が浮かばれない。こんな最悪の人間に法の忖度があってなるものか!」と、怒りがエスカレートしている様子だ。 ツイートは反響を呼び、8日午後7時半時点で1つめのツイートが約2万リツイート、5.2万いいね。2つめも約7500リツイート、2.1万いいねとなっている。ツイートに寄せられているコメントはさまざまだが、「デヴィ夫人のような有名な人が声を上げるのはいいこと」など、おおむねデヴィ夫人の発言を支持する声が目立つ。 事故については公判を見守るしかないが、今後、法廷でどのようなやりとりがなされるのか注視したい。 (文:志和浩司)