普遍的なものを目指して。真摯に食材と向き合い、唯一無二の焼き鳥を生む「かさ原」
「The Tabelog Award 2024」 受賞店インタビュー
「おいしいを、讃えよう。」をキャッチコピーに、食べログユーザーによる評価をもとにした独自の年間レストランアワード「The Tabelog Award 2024」。対象期間にきわめて高い評価を獲得したお店がノミネートされ、ユーザーによる投票にて「Gold」「Silver」「Bronze」の各賞、部門賞として「Best New Entry」「Best Regional Restaurants」「Chefs’ Gold」が決定した。
受賞店数は456店舗、その割合は日本の飲食店の中のわずか0.05%ほどという狭き門。そんなトップオブトップの飲食店の料理人たちは今、何を考えているのか?
Gold & Best New Entry受賞「かさ原」笠原 悠仁氏
実は、移転前の神戸時代に「The Tabelog Award」を4年連続受賞している「かさ原」。2021年に東京・神楽坂に店舗を移し、今回初めての「Gold」、そして「Best New Entry」を合わせたダブル受賞となった。
知っている人も多いと思うが「かさ原」は店内での写真撮影はNG。どのような空間で、どのような料理が提供されているのかは、訪れた人にしかわからない。しかし、撮影することが許可されていたとしても、食べることだけに意識を注ぎたいと、「かさ原」の焼き鳥に心を奪われた客たちの声が聞こえてくる。
今回のインタビューは店主の笠原氏の顔出しもNG。だが、素直な気持ちを語ってくれる後ろ姿は、やさしく、熱い思いにあふれていた。
「スターは“鶏”。自分たちが前に出るようなことは、あまり得意じゃない」と、控えめにも思える笠原氏の言葉からは、大事にしているのは“食材”である「焼き鳥」であり、それを目的に訪れる「お客様」なのだ、ということが伝わってくる。
自身の店で扱う『高坂鶏』についてたずねると、出会った時は「言葉にできない。衝撃だった」という。その素晴らしい食材を活かせるように、常にサポートをしていくのが自分たちの役割だと、やはり食材と真摯に向き合う姿がうかがえる答えが返ってきた。