成長を続けるグミ市場で カバヤ のタフグミがこだわる商品力。「連食性」を生み出す味わいの秘密とは
2021年、ガムとグミの売上は逆転した。コンビニなどでも、ガムのコーナーがグミに入れ替わり、各社新商品を出し続けている。インテージによると、2023年のグミの市場規模は前年比24%増の972億円だった。そんな市場で圧倒的な存在を誇るのが、カバヤ食品の「TOUGH GUMMY(タフグミ)」だ。 成長を続けるグミ市場で カバヤ のタフグミがこだわる商品力。「連食性」を生み出す味わいの秘密とは 企業の成長につながった施策や事業を切り口に、そこに秘めたマーケターの想いや思考を追っていくDIGIDAY[日本版]のインタビューシリーズ「look inside!─マーケターの思考をのぞく─」。 競合がひしめく市場において、タフグミが重視するのは一度食べたらさらに食べたくなる「連食性」と、それを実現する商品力。そんな飽きさせないプロダクトへのこだわりを、カバヤ食品のマーケティング本部でマネージャーを務める荒殿郁海氏に聞いた。 ◆ ◆ ◆ DIGIDAY編集部(以下、DD):「タフグミ」は市場の拡大を上回るペースで成長しているとのことですが、誕生のきっかけを教えてください。 荒殿郁海(以下、荒殿):「タフグミ」は2014年に販売を開始しました。グミの市場は当時拡大しており、各社さまざまな食感やフレーバーのグミを販売していましたが、そのほとんどは女性や子ども向けの商品ばかりで、全世代に浸透している途上でした。 当社の主力商品のひとつでもあり、2004年から販売している「ピュアラルグミ」は女性向けですし、もともとグミ自体も子ども向けのお菓子からはじまっている商品です。 2013年に明治が「コーラアップ」のリニューアルをし、グミにも「大容量」や「食べ応え」「満足感」といった要素が生まれました。その結果、大人の男性が市場に入ってきましたが、「男性向け」と謳っている商品はありませんでした。そこに対し「男性向け」として「噛み応え」をプラスした商品を開発できないかと模索しているなかで「タフグミ」が生まれました。 荒殿 郁海/カバヤ食品株式会社 マーケティング本部 カテゴリー戦略室 第三グループ マネージャー。 2018年、新卒でカバヤ食品に入社。2021年から「タフグミ」を担当。入社から現在に至るまで”グミ一筋”で、さまざまな商品の企画・開発を担当。日常では感じられない刺激を求めて休日を過ごしている。渓流釣りにハマっており、山の上流部でヤマメやイワナを釣っている。ひとりになり自然と一体化しているような気分になるのが好き。ツーリングも好きで、岩手まで往復1500キロの道を、1日500キロずつ3日間走り続けた。 DD:女性や子ども向けの商品ばかりだったなか、どのように男性消費者のパーセプションを獲得していったのでしょうか。 荒殿:それまで販売されているグミの大半は、主要なターゲットだった女性や子どもが手に取りやすいカラフルでポップなデザインやフレーバーで、裏を返せば男性が手に取りにくい状態でした。なのでシンプルに男性にも手に取りやすいようなデザインで市場を開拓していきました。 デザインはかっこよさを追求し、ブラックとゴールドのパッケージ。コーラやエナジードリンクのフレーバーを入れ、男性向けの商品であるということを押し出しました。