成長を続けるグミ市場で カバヤ のタフグミがこだわる商品力。「連食性」を生み出す味わいの秘密とは
社内でも最注力ブランドの「タフグミ」の商品力
DD:「タフグミ」が男性向けグミ市場を開拓して10年目ですが、現在はどのようなポジションなのでしょうか。 荒殿:登場以降右肩上がりで成長しており、新商品を出すたびに過去最高を記録している状態です。当社ではさまざまな商品を販売していますが、売上全体に占める割合は現段階で21%(2024年7月時点)。今では「タフグミ」が売上拡大のドライバーです。 2024年の秋以降も販路を拡大する予定なので、さらに販売構成比率が高まっていくと確信しています。 DD:幅広い商品を販売されているカバヤのなかでも圧倒的な存在感を持っているんですね。 荒殿:当社のグミカテゴリーのなかではもちろん最注力ブランドなのですが、全社的にも「塩分チャージタブレッツ」と並んで主力商品となっています。 DD:ここまで伸びる要因はどういった部分にあると考えていますか。 荒殿:成長を続けられる最大の要因はこの商品が持つそもそもの商品力だと思っています。クセになる弾力食感がもっともお客さまに評価をいただいているポイントで、お客さまを対象とした定量調査でも、高弾力の食感は、非常に高いスコアを得ており、データでも証明されています。 ハードグミのジャンルでは、ただ単純に硬いだけといった食感のものが多いイメージですが、「タフグミ」は、絶妙に跳ね返すような弾力食感にこだわっているので、そこがやみつきになるポイントだと思っています。 データを見てみると、1度トライアルしてくれた方は、かなりの確率でリピートしてくれる傾向にあります。「タフグミ」のあの食感こそが、ファンを生み出す原動力だと自負しています。
フレーバーの拡張とTVCMで女性顧客の獲得も成功
DD:男性だけでなく、女性顧客の獲得も成功していると聞きました。 荒殿:以前までは市場のなかで男性向けに差別化をするという戦い方をしていましたが、いまやほとんどのお客さまが食感でグミを選択するようになっています。この事実に着目し、昨年から性別問わず、すべてのグミを好むユーザーに認知してもらい、「クセになる弾力食感」であることを理解してもらうという作戦に変えました。 2023年5月から初めて、ブランド成長を加速させるためにTVCMを作成し、女性のファンが多い俳優の鈴鹿央士さんを起用。これまで「タフグミ」に興味を示していなかった20~40代の女性へのアプローチを強化していきました。 DD:男性向けに圧倒的な存在感を持つグミを女性にも訴求する、というのは簡単ではなさそうです。クリエイティブで工夫したポイントはありますか。 荒殿:男性向けとしてブランディングしてきた「タフグミ」について、女性のお客さまは何も知らない状態。まずは製品が「何者」なのか伝えるところにフォーカスしました。 シンプルに分かりやすく伝えるところにこだわり、クセになる高弾力食感のグミであるということが、一貫して伝わるように注力しました。また、ブランドのイメージカラーでもあるブラックとゴールドは変えることなくクリエイティブに落とし込んでいます。 DD:フレーバーの展開も豊富ですが、これも購買層拡大施策の一環なのでしょうか。 荒殿:販売当初は男性の好むドリンクフレーバーで、男性向けというコンセプトを引き立たせるように販売していたため、コア層は深くて狭い、「これしか買わない」「こればかり買っている」という方が大半でした。知る人ぞ知る、といった商品でしたが、その間口を広げていきたいという意識は常にありました。 そこで、2021年9月に、グレープのフレーバーを発売しました。これまでは男性向けのフレーバーに特化したブランドでしたが、グミの王道フレーバーを展開することで、男性だけでなく、グミのボリュームゾーンでもある女性を獲得し、ブランドとして大きくなりたいという想いを込めていました。 その後、定期的にブランドに話題を与えるという意図もあり、ドリンクフレーバーとフルーツフレーバーを展開するようになりました。