“漫画の神様”手塚治虫が愛した『一番飯店』の名物料理・上海焼きそばの味とは
●漫画の神に愛された、親子3代、72年の歴史を誇る中華料理店
JR山手線の発車メロディは『鉄腕アトム』。高田馬場は、手塚プロダクションがあることから鉄腕アトムを始め、火の鳥やリボンの騎士など、さまざまな手塚治虫作品の生誕地とも言われています。 【画像】全部おいしそう! 「一番飯店」の名物料理を画像で見る(16枚) その高田馬場に、手塚治虫が愛した町中華があると聞き、向かったのは駅から徒歩6分ほどの場所にある「一番飯店」。ランチタイムや週末には行列ができる人気店です。
「昭和の終わり頃ですね。手塚プロダクションさんは出前で当店をよくご利用いただいていたのですが、ある日先生から『焼きそばに八宝菜を乗っけてほしい』とリクエストされたんです。先生は1日1食しか食べない方だったので、バランスよく食べていただけるよう、先代が野菜や魚介など、具材を色々と入れて作ったのがきっかけですね」と話すのは、2代目店主の山本義家さん。 お店自体は白金や浅草などにあった時代も含め、創業から72年。親子3代、4代にわたって愛され続けている中華料理の店です。数あるメニューの中から、おすすめの料理3品を教えてもらいました。
●一番飯店の看板メニュー! 巨匠考案の「特製上海焼そば」
まずは一番飯店を語る上で欠かせない、手塚治虫のリクエストによって生まれた特製上海焼きそば。 「当時は先代が腕を奮っていたのですが、手塚先生からこういう要望があった、と伝えると『わかった』と。それでこの特選上海焼きそばをお持ちしたのですが、それからしばらく注文はなかったんですよ。随分経った頃、手塚プロダクションの方から『先生がこの間頼んだアレを食べたいとおっしゃっていますが、わかりますか?」と聞かれて、またお持ちするようになりましたね。 実は先代は出張料理人として、政府の要人などに料理を振る舞っていた経験があり、それこそさまざまな、わがままな要望にも応えていった経験があるんです。 なので、おそらく手塚先生が食べたいものはこういうものではないかと想像して作った結果、先生にお気に召していただいたのかと思います」