“漫画の神様”手塚治虫が愛した『一番飯店』の名物料理・上海焼きそばの味とは
焼きそばの具には、シイタケ、キクラゲ、フクロ茸、青梗菜、鶏肉、小海老、イカ、アサリ、大きめのエビなど、八宝菜の八を超えた9種類。 しかも具だくさん! さまざまな具材やあんかけなどから出てくる旨みが幾重にも重なり、深い旨味となっている贅沢な味わいです。
●トマトの酸味と旨みがしっかりしているのに軽やか!「トマトタンメン」
「随分前に、トマト農家の方にもらったトマトが美味しかったので、作ろうと思ったのが最初ですね。ただスライスしたトマトを乗せるだけではつまらない。うちのトマトタンメンは、トマトの量を結構使うんですよ」と店主。 生のトマトを丸ごと中華鍋で火を入れ、潰し、トマトの持つ旨みをギュッと濃縮するところから始まります。 具はキャベツ、キクラゲ、豚肉とトマト。スープは豚骨や鶏ガラから取ったもので、味付けは塩、砂糖、そしてトマトの旨み! 麺は細麺または中太麺が選べます。 「グループで食べに来たお客様は、シメに焼きそばやトマトタンメンを頼んで、分け合う人が多いですね」。居酒屋感覚で単品料理や小皿料理をお酒と楽しんだ後にシメの麺類。それは絶対に頼みたくなる! イタリアンと中華のいいとこ取りをしたような一杯で、おそらくですが、粉チーズをかけても美味しいのでは? 旨みがしっかりなのに後味は軽やか。若い女性客に人気というのも納得です。
●もやし炒めが土台になっているのが個性的!「豚ロース 生姜焼き定食」
町中華の店には往々にして洋食メニューや定食があるもの。近くで働くサラリーマンや、近所に住む一人暮らしの人にとって、定食は外せないアイテムです。 一番飯店の定食メニューを代表するのは「豚ロース 生姜焼き定食」。山盛りになった野菜の上に豚肉を乗せた、こんもりとした盛り付けです。 そして、ここの生姜焼きでしか味わえない組み合わせが。それは、豚肉を盛り付ける、千切りキャベツの下になる土台はもやしを炒めたもの。もやしの土台の上に千切りキャベツ、そして豚肉の生姜焼きを乗せています。
「若い人たちに野菜を食べてもらいたいからね」と微笑む店主。確かに、キャベツともやしを豚肉で巻いて食べると、シャキシャキがたまらない。タレのおいしさも相まって、ごはんが進みます。 ちなみに大盛りライスは+50円、おかわりは+100円。品は悪いかもしれないけれど、最後に皿に残ったタレをごはんにかけるなら、ライス大盛りで頼んでおくのがおすすめです。