始まりはパタゴニア創業者との出会い:フリースの元祖ポーラーテックの技術力とは
ー具体的な商品を教えてください。 ポーラーテックには1つの生地カテゴリーのなかに、複数のスタイルが用意されています。たとえば、インシュレーションでもよりアウターを意識したフリースもあり、「ウィンドプロ」という素材があります。
こちらは通常のフリースと同じような軽さと保温性を実現していますが、他の商品と比較して4倍もの防風性があります。この防風性を実現しているのが編み目で、ギチギチに編むことによって防風性を高めています。また、シェルのようにメンブレンが入っているわけではないので、しっかりと通気性は確保できているのが特徴です。
ー他にも特徴的なフリースはありますか。 「サーマルプロ」というものがあります。こちらはポーラーテックの生地のなかでも、意匠性に特化したものを指します。 機能は通常のフリースと変わらないのですが、ボアフリース、セータールックやリブルックといったデザイン性に富んだ生地カテゴリーとなります。
ーこれだけ種類が豊富なのは、他社の製品を意識してのことですか。 ポーラーテックは自分たちが必要だと思うものを開発するというスタンスです。 またパタゴニアなどのブランドと共同開発も行っています。ブランドとのコミュニケーションの中でよりアイデアがブラッシュアップされることもあるようです。 素材の研究開発、フィールドテストを繰り返すことでより快適な衣服内環境を実現することがポーラーテックの目標なのです。
ポーラーテックが見据える今後の展開
ー今後の商品開発について教えてください。 ひとつはアクティブ・インシュレーションという、活動時に適度な保温性を保ちながら、蒸れやオーバーヒートを防ぐという素材開発に力を入れていることです。
ポーラーテックの代表的な素材にアクティブインシュレーションの元祖である「アルファ」があります。通常のフリースよりもさらに甘く編んでいるもので、向こう側が透けて見えるくらい薄くなっています。
【関連記事】
- ワークマン最高峰の防寒性と防水性「イージスフュージョンダウンジャケット」が売れ続ける理由
- 1980年代に登場し、いまもなお第一線のアウター Columbia(コロンビア)「Bugaboo Parka(バカブー パーカー)」を徹底解剖
- 着ると違いがわかる「karrimor(カリマー)」の「サーマルハーフジップ(thermal half-zip)」
- モンベルの「スペリオダウン ラウンドネックジャケット」はなぜインナーダウンの最高傑作といわれるのか?
- 「THE NORTH FACE」ハイスペックモデル「Mountain Down Jacket」とブランドのルーツが感じられる「CAMP Sierra」の歴史を紐解く