慶大・清原正吾、会心3号ソロで父・和博さんのいる観客席指さす「指名漏れして、早慶戦に全てかけてきた」
◇9日 東京六大学野球秋季リーグ戦 慶大9-1早大(神宮) 伝統の一戦は、慶大が早大に9―1で大勝し、優勝に待ったをかけた。西武、巨人、オリックスで通算525本塁打を放った清原和博さんの長男で、慶大の清原正吾内野手(4年・慶応)が2点リードの6回、3号ソロを放つなど自身初の4安打でチームを勢いづけた。左腕の渡辺和大投手(2年・高松商)が1失点完投で今季3勝目。1勝すれば、春秋連続48度目の優勝の早大は10日の2回戦で仕切り直しとなった。慶大が連勝の場合は、すでに全日程を終えている明大が、早大と勝ち点、勝率で並んで両校の優勝決定戦に持ち込まれる。 打球の行方を見届けた慶大の清原はバットを放り投げてダイヤモンドを回り始めた。6回1死、今季6勝負けなしで防御率もトップだった早大の伊藤樹の甘く入った直球を左翼中段に、打った瞬間の3号ソロ。ネット裏の父・和博さんの周りではファンが祝福。ホームインした清原は、感謝の思いも込めて父がいる方向を指さした。 家族への思いがにじみ出た。1、2本目のホームランボールは父と母に渡した。3本目は、慶応高3年の弟に渡す。「彼も次は大学で、たぶん入学できると思うんですけど、ぼくのホームランボールが原動力になって頑張ってもらいたい」。逆方向へ3安打も放った4番に引っ張られて、ともに練習してきた4年の水鳥遥貴内野手が7回にバックスクリーンへアベック弾。清原が4本目のヒットで出た8回にも4点を追加。1失点完投の渡辺和は防御率トップに躍り出た。 今秋は勝ち点1で5位が確定しているが、伝統の一戦に向けて、4年生を中心に集中力を高めた。清原は「ドラフトで指名漏れしてから、早慶戦にすべてをかけてやってきた。あしたも勝って笑って終わりたい」と力を込めた。ライバルに連勝へ…ムードは最高。堀井哲也監督は「このシーズン一番の活躍。あした、もっと活躍してくれると思う。いつ(自分に)ホームランボールが回ってくるのかな」と笑って引き揚げた。
中日スポーツ