3位は野間口徹、2位は坂東龍汰、1位は…国内ドラマ「2024年俳優ランキング」男性部門ベスト10
■「どこか光を感じる悪人」をやらせたらピカイチ 8位タイ 仲野太賀 27点 優しすぎた男、報われない次男の諦観 優しすぎる男といえば、仲野太賀。「虎に翼」で寅子の最初の夫を演じ、見事な腹下し芸からステテコ芸まで笑わせてくれた。 が、ポイントが高いのは「季節のない街」(テレ東)で演じた次男役だ。母と弟妹を支えるために頑張ってきたが、家を出て勝手気ままに生きる兄が、金も母の愛もすべて奪っていく。その報われない絶望の表情が今でも忘れられない。2026年の主演大河も今から期待しておこう。 6位タイ 玉置玲央 32点 嫌われ道兼の罪深き人生 NHK大河ドラマ「光る君へ」で視聴者に悲鳴を上げさせた唯一の人物を熱演。初回でヒロインの母親を斬り殺すという苛烈な役だが、父からも兄からも忌み嫌われ、汚れ役に徹するしかない悲しい定めは胸を打った。改心した場面があって救われた気もする。 インタビューで「悪人ではなく、もう少しいい人の役を演じたい」と話していたのが印象的だ。確かにこれまでも残忍、あるいは反省のない極悪人の役が多かったのだが、そこにひとすじの光を表現できる玉置だからこそのオファーだったと思う。 ■番外編① 「一人二役」で魅せた俳優3傑 話をそらそう。残念ながらランキング上位ではないものの、「一人二役」で演技力の幅を見せつけた俳優をまとめておこう。 ●神木隆之介 やさぐれホストと純朴青年、時をかけた 「海に眠るダイヤモンド」(TBS)。信じるのは金だけ、平成のやさぐれたホスト役と、人を信じて和を重んじる昭和の青年役をまったく別の表情とトーンで演じた。厭世的で絶望と諦観しかない人間と、困難な状況でも希望だけは忘れない人間のギャップはすごかった。 ●高橋文哉 アイドルヲタクのこもり人と伝説のヤンキー 「伝説の頭 翔」(テレ朝)。いじめを機に不登校になったアイドルヲタク男子高校生が、町で伝説と語り継がれるヤンキーと顔が似ているために、なりすましを余儀なくされる。美形の高橋が両極端な二役を心の底から楽しんで演じていた感も。どっちも純粋なのよね。 ●磯村勇斗 マッチ好きヤンキーとコスパ重視男子 「不適切にもほどがある!」(TBS)。昭和では近藤真彦大好きで中途半端なヤンキーの先輩、令和ではその息子であるイマドキの低体温男子を演じた。時代の特性で父と息子を演じ分けたが、恋愛に対する熱量の差がおおいに笑いを誘った。どっちもかわいいんだけどね。 ということで、ランキングへ。皿をバリバリ食らう暴挙のあの人がランクイン。