【40代、50代・更年期の不眠悩み】寝つけないときの寝酒はNG! 寝る前に副交感神経のスイッチを入れるコツは?
寝つけないからと言って寝酒を飲んでいては、睡眠の質が下がってしまって逆効果。それよりも、誤作動を起こしている自律神経を整えることが大切。寝る前に副交感神経のスイッチを入れ、うまく入眠に導くコツを、産婦人科医の吉形玲美さんに教えてもらった。
Q. なかなか眠れず、睡眠サプリも効果なし。よくないとわかっていてもお酒を飲んでしまいます
A. 自律神経が誤作動を起こしています。眠る前に、副交感神経のスイッチをONしましょう 「寝る直前の飲酒は睡眠の質が悪化するのでNGです。寝つきをよくするには、自律神経の切り替えをスムーズにすることがポイント。 自律神経は交感神経と副交感神経からなり、両者はアクセルとブレーキのような働きをしています。日中は交感神経が高く緊張モードでテキパキ動く、夜はリラックスモードの副交感神経のほうが高くなり、自然と眠気が訪れるのが正常です。 つまり、快眠のためには緊張→リラックスへと自律神経を切り替えることがとても大事なのです。『神経を興奮させるカフェイン類は、夕方以降は飲まないように』というのもそのため。飲むなら、カモミールティーなど気持ちの落ち着くハーブティーにしましょう。また、体を気持ちよく伸ばすストレッチはリラックスに効果的です。 絶対NGなのは、寝る直前までスマホやPCなど強い光を放つ画面を見ていること。交感神経を優位にしてしまいます」(吉形先生)
●寝る前に副交感神経のスイッチを入れるコツ ・寝る1~2時間前までにぬるめのお風呂に入る ・気持ちいいと感じる程度の軽いストレッチをしてみる ・寝る前にPCやスマホなどの強い光を浴びない ・腹巻きやレッグウォーマーで体を温める ・室内を、リラックスできる光・音・温度&湿度に調整 ・いちばんリラックスできる風景を思い描く
Q. 夜中にトイレに1、2回起きてしまい、ぐっすり寝た気がしません。なぜ起きてしまうのでしょう?
A. 脚がむくんだまま寝ると、夜間に尿が出やすくなります。むくみ対策をしてみて 「過活動膀胱などの傾向があって夜間頻尿になりやすかったり、尿道の筋肉が緩んでいるなども考えられます。でもその前に疑ってみたいのが、日中のむくみを残したまま眠りについていないかということです。女性は、日中の長時間のデスクワークや運動不足で体がむくんでいる人が多いもの。脚がパンパンになっている人もいます。 そういう人は、体にたまっている水分を腎臓が尿として外に出そうと働くため、夜中にトイレに起きやすいはずです。運動するなどして、むくみを残したまま寝ないようにしてみてください。運動が無理なら、デスクワーク中に着圧ソックスなどを履いておくのも効果的。 そんな工夫をしたのに夜中にトイレに起きてしまうとしても、尿がたくさん出るならそれは仕方ないとも言えます。あまり量も出ないのに起きてしまうなら、婦人科や泌尿器科、内科でもよいので相談してみましょう」
【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医、医学博士。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最前線に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) グラフ/小柳東子 イラスト/AZUSA 構成・原文/蓮見則子