【インタビュー】ロータスは今後どうなる? 電動化で揺らぐ“らしさ”の行方
幅広いマーケティング活動を通じて
エメヤやエレトレといった、ロータスとしては初めて導入するボディタイプを販売するからには、これまでとは違った戦略が求められる。クルマそのものもダンさんが言うように、ライフスタイル系の視点が求められる。 その点についてロータス・カーズ日本と台湾を統括する寺嶋正一さんはやはり、「いままでのマーケティングとは全く違うやり方になると思っています」と語る。いままでは、サーキットを含め走ることを重視したイベント開催が多かった。それは運転することの喜びがロータスだからだ。 「もちろん今後もそういったイベントは継続します」としたうえで、「もっと家族と一緒に楽しめたり、ツーリングに出かけたり、ロータスを所有したらどんな生活が広がるのかを分かりやすく体験できるようなイベントをたくさんやること。それに加えてこれまでのイベントも継続しますから、ロータスを所有するとこんなに幅広く楽しめる。そういうことを訴求していきたいと思います」とコメントした。 今後は180度違う方向性を持つラインナップになることで、ロータスとしては難しいかじ取りになる。それでも「ビジョン80」という、ロータス創業80周年を迎える2028年までに年産15万台にまで拡大させるという戦略の元、確実に様々なクルマが登場して来ることだろう。 ダンさんの言葉を信じるなら、ガソリン車だろうがBEVであろうが、はたまたSUVや4ドアサルーンであっても、クルマとの一体感やドライビングの愉しさは表現出来ているに違いない。それこそロータス・ファンが求め、ロータスが最も重視しているDNAともいえるからだ。
内田俊一(執筆) 上野和秀(撮影) 平井大介(編集)