【C大阪】今季退団の小菊昭雄監督、采配的中で勝利もライバルG大阪の順位を4年ぶり上回れず
<明治安田J1:C大阪1-0福岡>◇第36節◇9日◇ヨドコウ セレッソ大阪が3試合ぶりの勝利を挙げた。通算13勝13分け10敗の勝ち点52とし、前節8位から7位に浮上した。 【写真】ピッチサイドで笑顔を見せる小菊監督 ただ、他会場で勝利し、勝ち点60に伸ばした4位ガンバ大阪を、残り2試合で追い抜くことは不可能になった。C大阪がG大阪の順位を下回るのは、20年以来4年ぶり(G大阪2位、C大阪4位)。 今季はリーグ初優勝を目標に掲げ、10月にその可能性が消滅すると、ライバルG大阪より上の順位を次なる目標に設定していた。 それでも、この日のアビスパ福岡戦の勝利は、価値あるものだった。今季限りで退団する小菊昭雄監督(49)の采配が見事に的中。 5試合続けていた守備のシステムを、3バックから従来の4バックへ変更し、試合をほぼ支配できた。 さらに後半22分、山崎凌吾(32)と山田寛人(24)の長身FW2人を初めて同時起用。同時のベンチ入りも初めてだった。 FWレオ・セアラ(29)を含めて前線を分厚くし、同36分にMF田中駿汰(27)が決勝点をマークした場面は、レオ、山崎、山田がペナルティーエリア内に進入し、田中の前にスペースをたっぷり作ったことが要因だ。 指揮官は言う。 「試合中のシステムや人の配置の変更は、昨年までの私は思い切ってできないところもあったが、この3年半でいろんなトライ、エラーもあり、自分の引き出しを少しずつ増やせていけたかなと思う」 今季わずか11試合目の出番だった山田は、最終盤での活躍を狙っていた。 「あの位置(左サイドの2列目)は半年ぶりくらい。でも(山崎と)2人で出たいねと言っていた」 優勝もG大阪より上の順位もかなわなかったが、チームが活性化しての勝利は尊い。 指揮官が3年半で築いたJ1通算成績は、ここまで47勝29分け41敗。別れを惜しむサポーターからは試合前、「コギク」コールが生まれた。27年一筋に在籍したC大阪からの卒業は残り2試合となり、次節30日の鹿島アントラーズ戦は本拠地でのお別れ会になる。 「私自身も彼らとの時間をかみしめながら、毎日を大切に、今日を含めて3連勝で締めくくれるように頑張りたい」 全日程が終われば、来季J2に降格するサガン鳥栖の監督就任が正式に発表される。