バレーJTが令和最初のVリーグ女王 吉原知子監督「心強い選手たちになった」
バレーボールの2019-20 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)ファイナルが26日行われ、JTマーヴェラス(ホームタウン・大阪市)が岡山シーガルズ(ホームタウン・岡山県)を逆転でフルセットの末破り、9シーズンぶり2度目の優勝を勝ち取った。 【拡大写真】JTマーヴェラス「ファン感謝祭」で笑顔をみせる吉原知子監督
小幡主将「自分たちは一番厳しい練習をしてきた」
2015年に吉原知子監督が就任して以来、目標に掲げてきた悲願。その「日本一」の夢を「全員バレー」でついにつかんだ。勝利した選手たちを迎える吉原監督の顔から笑みがこぼれる。 「勝ててよかった。昨シーズンのファイナル3の悔しさはこれ以上ない悔しさだった。2シーズン前のファイナルは何もできないまま終わった。そういう中でこの日の決勝を迎えた。どちらが勝つかわからないプレッシャーのかかる試合でそういった経験がいかされたと思う。ここぞという1本を決められるようになってきた。心強い選手たちになったと思います」と吉原監督。 キャプテンの小幡真子も「自分たちは一番厳しい練習をしてきた。最高の形で終われたのがうれしい。ユニフォームを着ていない選手への恩返しもできたし、トモさん(吉原監督)に初めての監督賞をあげられてうれしいです」と笑顔を見せた。
「できるからできるから」と選手を励まし続けた
長い道のりだった。前回初優勝した2010/11Vプレミアリーグを境に低迷し始め、2014年にはついにチャレンジリーグ(2部)に降格してしまう。次の2014/15シーズンで昇格できず、「プレミアに戻れるかどうかさえわからない」状況。吉原監督が就任したのはそんなどん底のときだった。 「負け犬状態でしたね。『どうせ私たちは…』と。(リーグで)1番になるんだと言っても、それが何かわからない感じでした」と吉原監督は振り返る。 監督としてまず取り掛かったのは「意識改革」。就任時に「コートに来るときは覚悟を決めてきてください」と選手たちにお願いした。自信を回復させるには強いメンタルを作ること。 「技術はメンタルで支えるもの。フィジカルとメンタルの両面が大事」と同時にハードワークを課した。ときには、「倒れるならコートの中で倒れなさい。倒れたら私が引きずって出してあげるから」と話したこともあった。 「できるからできるから」と選手を励まし続け、こうしよう、ああしようと働きかけた。