日経平均株価は今月末「38,500円付近」に注目 「上昇トレンド継続か、下落トレンドに転換か」の分岐点【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)が解説します。
●日経平均は3月に41,000円台をつけるもその後調整気味、そこで一目均衡表でトレンドを確認。 ●一目均衡表で日経平均は下落トレンドには至っていないものの、上昇トレンドは弱まっている状況。 ●今月末38,500円付近がトレンドの分岐点に、ただ今月のトレンドが6月再転換の展開もありうる。
日経平均は3月に41,000円台をつけるもその後調整気味、そこで一目均衡表でトレンドを確認
日経平均株価は3月22日の取引時間中(以下同じ)に41,087円75銭の高値をつけた後、調整色が強まり、4月19日には36,733円06銭まで下落しました。その後は徐々に持ち直していますが、直近で39,000円台の定着に苦戦しており、上値の重い展開が続いています。そこで今回のレポートでは、テクニカル分析を使って、日経平均の目先の値動きを探っていきます。 一般に、テクニカル分析で使用されるチャートは、「トレンド系」と「オシレーター系」に分類されます。トレンド系チャートは相場のトレンド判断に適し、オシレーター系チャートは相場の過熱感の判断に適しているとされます。今回は、前述の通り3月に41,000円台をつけた日経平均について、上昇トレンドの持続性を確認するため、トレンド系チャートの代表格である「一目均衡表」に注目します。
一目均衡表で日経平均は下落トレンドには至っていないものの、上昇トレンドは弱まっている状況
一目均衡表は、「転換線」、「基準線」、「先行スパン1」、「先行スパン2」、「遅行線」という5つの線で構成されます。これら5つの線と日足の位置関係が重要で、例えば、(1)転換線が基準線を上抜けている、(2)遅行線が日足を上抜けている、(3)日足が雲(先行スパン1と先行スパン2に挟まれた領域)を上抜けている、という3つの条件がそろうと、「三役好転」という、非常に強い買いシグナル(上昇トレンド)と解釈されます。 反対に、3つともすべて下抜けとなってしまうと、「三役逆転」という、非常に強い売りシグナル(下落トレンド)と判断されます。そこで、実際に日経平均の一目均衡表をみてみると、5月24日時点では、(1)転換線が基準線の上に位置し、(2)遅行線が日足と重なっており、(3)日足は雲の中に位置しています(図表)。つまり、三役好転の3条件のうち、(1)のみを満たす状況となっていることから、上昇トレンドは弱まっていると判断されます。
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