走るフォームのアドバイスも…NTTが生成AI活用した“気が利く”ロボット公開 課題は高環境負荷…消費電力大幅削減する日本の光技術に期待
NTTが最新技術展示会で、生成AIを活用したランニング指導技術や、介護現場で支援が期待されるAIロボットを発表した。専門家は、生成AIの普及には低消費電力の技術が不可欠で、日本の技術がその解決に貢献できると指摘している。 【画像】ランニングフォームを分析し、ゴーグルに理想の走り方のアドバイスを表示する技術
NTT「最新AI」がランニングや介護をサポート
NTTが、AI=人工知能が走るフォームをアドバイスする最新技術を公開した。 NTTは、東京・武蔵野市のNTT武蔵野研究開発センタで、生成AIや次世代通信を活用した最新技術の展示会を開催した。 こちらのブースでは、カメラに映したランニングフォームを分析し、リアルタイムでゴーグルに理想の走り方のアドバイスを表示する。 「お手本に比べて下を向いています」 山下あす奈記者: 目線が下を向いているというアドバイスがあったので、上を向いて走ってみようと思います。 また、AIを搭載したロボットは、冷蔵庫の扉が開けっぱなしの時は「締め忘れてますよ」と知らせて、代わりに閉じるほか、体調が悪そうな時には声を掛け、助けを求める。 NTTは、介護施設などでの活用を想定し、気が利くロボットの実現を目指す。
消費電力削減・環境対応が生成AI普及の鍵
「Live News α」では、早稲田大学ビジネススクール教授の長内厚さんに話を聞いた。 堤礼実キャスター: 新しいテクノロジーの開発、どうご覧になりますか。 早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん: 生成AIが身近なものになってきましたよね。私も仕事の資料作成などに活用しています。 AIの応用技術は、これからたくさん出てくると思います。そうなると懸念されるのが、実は消費電力なんです。 堤キャスター: 消費電力に課題があるというのは、具体的にはどういったものですか。 早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん: AIの計算に使われるGPUという半導体は、スマートフォンやPCに使われているCPUと比べて、ものすごく電力を使います。そのため、AIはデータセンターで処理する必要があり、なかなかポータブルなものにならないんです。 何より、ものすごく電力を使うということは、発電で環境に負荷をかける場合があるということでもあります。環境問題としても、AI向けの低消費電力が急務になっています。 堤キャスター: 消費電力を少なくする取り組みには、どんなものがあるのでしょうか。 早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚さん: NTTが掲げるIOWN構想でも、通信の高速化、低遅延化に加えて、消費電力を低く抑えることが大きな目玉になっています。具体的には、データセンターで用いる通信をLANケーブルから光ファイバーに置き換えます。 光を使うということは電気を流さない、つまり電力を消費しないということになります。こうした、オール光ネットワークによる通信網の構築によって、電力を抑えていくことがまず一つです。