北欧の教育「フォルケホイスコーレ」が話題。人と社会、自然とのつながりを取り戻す大人の学び舎「School for Life Compath」 北海道東川町
参加のきっかけは? 体験して変わったこととは?
森で思い思いの時間を過ごした後、校舎に戻ってバーベキューが行われた。 明日は「8日間の振り返り」を行って解散ということで、夕食を共にするのは今夜が最後。 1階のテーブルや2階のスペースで思い思いにくつろぎ、さまざまな対話を行う参加者に、なぜこのコースに参加したのかを聞いてみた。
「いま私は29歳です。不動産開発の仕事をしていますが、現在のキャリアが自分に合っているのかを考えてみたいと思い、お盆休みを利用して参加しました」(あおとさん) 「保育士として働いていましたが退職して、次の職場を探す前に、一時期北海道で暮らすのもいいのではないかと考えていました。“推し”の俳優が東川出身だったので、このエリアで移住体験ができる場所はないかと探していたところ、このコースを知りました」(えりーさん) 二人のような社会人だけでなく大学生も今回のコースに参加していた。静岡から参加したあんさんは、父から参加を勧められたのがきっかけという。 「父は5月のコースに参加していて、『すごくよかったよ』と写真を見せてくれました。交友関係をどんどん広げていくようなタイプではなかったんですが、お友達がたくさんできたそうです。コースが終わってから、他の参加者が静岡に訪ねてきてくれたことがありました。知り合って1週間ほどなのに、こんなに親密になるってすごいなと思い、参加することにしました」(あんさん)
今回のコースでも、参加者同士は非常に打ち解けていて、余白の時間に対話があちこちで行われていた。 そうしたムードを培うために欠かせないプログラムの一つが、初日に行う「森のMEISHI」ワークショップ。 名刺といえば肩書きや所属が書かれたものだが、それらをあえて語らず、白い布の上に森で採取したものを並べ、いま自分がどんなことに関心があるのかや、気になっていることなどについて話すというものだ。
また、校舎の壁には「この8日間をどんな時間にしたいのか?」など、さまざまな問いかけがあり、自分自身と向き合うきっかけがつくられている。 さらにコースのグランドルールがあり、「1 いまここを感じる」「2 あなたと私の豊かさを愛でる」「3 判断を保留する」「4 感じたことを率直に出してみる」「5 『共に暮らす』ための対話を続ける」といった意識を大切にしながら暮らす。
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