「何人殺したか覚えていない」…獄中死の“筧死刑囚”が記者に残していた“怖すぎる肉声” 「死刑になるのは当然やろ」
「主にお金やな」
裁判で罪に問われた4人を含め、千佐子死刑囚の周囲では1994年以降、10人以上の男性が死亡している。仮に彼ら全員を殺害していたとしたら、彼女は座間9人殺害事件の白石隆浩や秋葉原通り魔事件の加藤智大を超える大量殺人を犯していたことになる。この点について聞くと、 「12人って報じてるところもあるみたいやけど、12人も殺せるわけないです。私はそんなにたくさんは殺してない。私、女ですよ。プロレスラーでもないのに、どうやってそんなにたくさん殺せるの。後ろから襲ったって返り討ちにあうだけやろ。私の場合は、出会い頭にやったわけやないからな。お付き合いしたり、旅行に行ったりする仲で、そういうふうになってやっただけやから。それでそんなにたくさん、出来るわけないやろ」 そう笑い飛ばしながら、 「出会い頭にやったわけやないんやから」 と何度も強調した。 実際、死亡した男性はすべて彼女の結婚・交際相手で、まさしく“お付き合いしたり、旅行に行ったりする仲”だった。また、このうち8人については、府警の取り調べには青酸化合物を飲ませたと供述。4人に対する殺人や強盗殺人容疑で追送検され、最終的に不起訴となっている。 “襲っても返り討ちにあうだけ”という発言は、力がなくても死に至らしめることの出来る青酸化合物を使った理由にも聞こえる。 そして、最終的に何人殺害したのか、再度問うと、 「覚えてないです」 と言いつつ、 「私、子供も孫もおるのに、何月何日誰々を殺しましたっていちいちノートに書いたりするわけないですよね。そんなことせえへんから。ノートにでも書いてたらわかったかもしれへんけど、書いてないから。書いてるわけないんやから、わからないです」 彼女が「後妻業」によって手にした遺産は、約10年で10億円にも上る。ところが逮捕時、彼女の銀行口座は空だった。 株やFXの他、先物取引、マンション投資、果てはねずみ講まがいの商法まで、ほとんどありとあらゆる金融商品に手を出し、相続した遺産のほとんどを溶かしていった。 被害者の一人には、4000万円もの借金をしていた。もっとも、借金について聞くと、 「私は誰にも借金なんてしてません」 と否定する。 しかし、殺害動機を改めて尋ねると、 「主にお金やな」 と断言するのであった。 「前の女にはあげたのに、私にはくれなかったとか、そんなんとか、色々あったんです。それはお付き合いしたりする中でのことやから、色々あったんです」 と続けて、 「主にお金。主にお金やな」 と、繰り返した。