大阪市での「男性専用車両」イベント中止受け 主催団体代表が訴え 「いつか開催したい」
17日に予定していた大阪市内の路面電車を貸し切り「男性専用車両」として走らせるイベントが中止されたことを受け、イベントを主催するNPO法人「日本弱者男性センター」の藤倉たける代表が産経新聞のインタビューに応じた。同センターの公式X(旧ツイッター)などに、車両の貸し出しを断った運行会社を批判するコメントも複数届いているといい、「運行会社様、イベントを楽しみにしていた皆さまに申し訳ない」と改めて謝罪。運行会社側に理解を求める活動を続け、「いつか大阪市内でも運行イベントを開催したい」と意欲を示した。 【写真】東京都内で昨年運行された「男性専用車両」の様子 ■貸し出し中止の理由聞けず 大阪でのイベントは、運行会社の課長級社員から条件付きで車両貸し出しの了解を得て進めていたというが、5日に課長の上司の判断により貸し出しできないとの連絡を受けた。「貸し出せなくなった経緯や運行会社側にクレームが届いていたかなどの詳細は教えてもらえなかった」という。 性的少数者(LGBTなど)の権利主張が盛り上がる中、ネット上では「女性専用車両があるのだから男性専用車両も認めるべき」「専用車両は新たな分断を生む」といった賛否の声が渦巻く。藤倉氏は「われわれがイベント開催を発表したことで会社側にクレームが来たかもしれないと思うと、大変に申し訳ないと思っている」と強調。同センターのXなどで「勝手な予測で運行会社に対し非難や抗議をしないように」と呼びかけていると説明した。 ■大阪開催に反対の声多く 同センターは、男性も電車内で異性からの性被害や痴漢の冤罪被害などの不安を抱いていることを知ってもらう目的で、父の日がある6月と国際男性デーがある11月の年2回、東京都内の路面電車を借り切って「男性専用車両」を走らせるイベントを開催。今月17日の大阪市でのイベントは、東京都以外では初めての開催となるはずだった。すでに7人から参加の申し込みがあったという。 「東京都内では男性専用車両のイベントを過去4回開催し、色々なメディアでも紹介されて、かなり認知が広がっていると自意識過剰だった部分もある」と藤倉氏は反省する。 男性専用車両を批判する意見は、都内での初回イベントの際も多数届いたが、「今回の大阪での開催に際しては、特に反対の声が多く、女性への安全面の担保を求める意見も多いと感じた」と藤倉氏。その理由について、関西では過去に列車内でのトラブルから女性が男性に暴行される性犯罪事件が散見されていることから「関西ではとりわけ、男性専用車両に対する嫌悪感が強いのかもしれない」と推測する。