アルバートソンズとクローガーが合併計画打ち切り、裁判所判断受け
Jody Godoy Aishwarya Venugopal [11日 ロイター] - 米スーパーマーケットチェーンのアルバートソンズと同業クローガーは11日、250億ドル規模の合併計画を打ち切った。2つの裁判所が、両社の統合は消費者にとっては価格上昇をもたらすという独占禁止当局の主張を認め、合併差し止めを命じる判決を下したことを踏まえた。 連邦取引委員会(FTC)、8つの州および首都ワシントンと、ワシントン州がそれぞれ合併差し止め訴訟を提起。オレゴン州連邦地裁とシアトルの州裁判所が10日、いずれも合併計画は不当に競争を低下させるとの見解を示した。 昨年の米生鮮品スーパー市場規模に基づくと、両社が統合した場合の市場シェアは約11%で、ウォルマートの17%に次ぐ第2位の座を獲得すると見込まれていた。 一方でアルバートソンズは、クローガーが計画承認に向けて必要な合意内容を完全に履行しなかったとの理由で、クローガーに6億ドルの違約金支払いに加えて損害賠償を求める訴えを起こした。 これに対してクローガーは、アルバートソンズの主張に根拠はなく、徹底的に争うと表明。広報担当者は「これは明らかに、アルバートソンズの複数の契約違反に対するクローガーの書面通知を受けたものだ」と述べた。 eMarketerのアナリスト、ブレイク・ドローシュ氏は「ウォルマートなどその他大手が明らかな勝者だ。合併がなければ同社の独壇場であることに変わりはない」と語った。 アルバートソンズはまた、1株当たりの四半期配当を現在の12セントから15セントに増やし、20億ドルの自社株買いを承認したと発表。ただ、これには承認済みの自社株買いも含まれている。 これとは別に、クローガーも取締役会が75億ドルを上限とする新しい自社株買いプログラムを承認したと発表した。 クローガーの株価は自社株買い発表後、時間外取引で2%上昇。今年約20%下落しているアルバートソンズ株は11日、1.5%安の18.23ドルで取引を終えた。