「うちの社員はすごい!」 “仕方なく”家業を継いだ男性に起きた心境の変化 大阪府八尾市の木村石鹸
僕もいまだ、できていないと思うことがよくあります。でも、本気で信じ、期待しなければ、社員も本気でそれに応えようとはしてくれないのです。 コロナ禍以降、売り上げの20%を占めていた中国向けの輸出が大きく落ち込んだり、資材や原料が高騰したりと、経営環境は決してよいとは言えない状況が続いています。でも、僕も、親父と同じように社員を信じ、期待したいと思っています。 信じて期待することが、社員の能力を引き出し、チームとしての強さを生み出す。それによりこの難局も乗り越えていける。僕はそう信じています。
■信じ続けてくれて、ありがたかった そういえば、親父はいつか僕が木村石鹸に帰ってくると信じていました。 僕は、そんなふうに信じられれば信じられるほど、鬱陶しかったわけですが、今になって思えば、信じ続けてもらえたのは、ありがたいことだったのだなと思います。もし、親父が諦めて、木村石鹸の株を外部の誰かに売ったり、譲ったりしていたら、今、僕はここにいなかったわけですから。 今現在、親父はほとんど会社には来なくなりました。持病があるために通院しながらも、釣りをしたり、以前購入した荒地をユンボで工事したりと、日々楽しんでいるようです。
そんな親父に「なぁ、うちの社員がすごいんやで」と熱弁している僕がいるんですから、おかしな話です。 【写真をすべて見る】工場内の様子や「百年祭」、先代夫婦の写真など
木村 祥一郎 :木村石鹸工業株式会社 代表取締役社長