「みんなの残業をなくす発明」ソフトバンクのAIサービス・sattoって何ができる?開発・平岡 拓に聞いた
ChatGPTの登場から約2年が経ち、ビジネスでも生成AIが使われるケースは増えていますが、使いこなすためのスキルの習得や「どう使うか?」の選択は、多くの場合ユーザーに委ねられています。 「みんなの残業をなくす発明」ソフトバンクのAIサービス・sattoって何ができる?開発・平岡 拓に聞いた そのため、AIをどう使えばいいかわからない人は、まだそのメリットを十分に享受できていないという課題も。 そんな、AIを使いこなせる人と、うまく使いこなせない人との格差を埋め、「何も考えることなく誰もが使えるAI」を目指すのが、ソフトバンクが開発を進めるAIエージェント「satto」。 しかし、考えずに誰でも使えるAIサービスというのは、一体どのようなものなのでしょう? 今回は、sattoの開発を手がけるIT統括 iPaaS事業開発本部 本部長の平岡 拓さんに、そのビジョンを聞きました。
さまざまなタスクを簡単に終わらせる「satto」
「みんなの人生に余白をつくりたい」と話す平岡さん。現在開発中のsattoも、それを実現するためのツールだといいます。 僕はもともと面倒くさがり屋で、「やらなければならないこと」ばかりやるのが辛いと感じていました。 最終的に実現したいのは、すべての人が自分の豊かさについて考えたり、感じたりできるくらいの「余白」をもって生きられる世界です。まずは自分の周囲の半径5メートルくらいの人たちにそうなってほしいという想いがsattoの開発につながっています。 そういったビジョンを「誰も置いていかない生成AI発明家」としてSNSなどで発信してきたことが注目され、ソフトバンクにジョイン。同社の事業としてsattoの開発を手がけることになりました。 sattoは、誰もがAIを使えるようになることを目指したツール。デスクトップアプリとしてPCにインストールし、ショートカットメニューで呼び出すことで、プロンプトを書くことなく、さまざまな作業をAIに任せることができます。 sattoの3つの特徴 わざわざプロンプトを書かなくても生成AIを使うことが可能 さまざまなアプリケーションと連携させ、自分好みのスキル(特定のタスクを実行するパターン)を構築可能 作成したスキルの共有や、他人がつくったスキルの利用が可能 ユーザーはいつでもsattoを呼び出し、メニューから頼みたい作業内容を選ぶだけで、あとはsattoが片付けてくれるのです。 たとえば、メールを返信するのであれば、受け取ったメールの内容をsattoが画面から読み込み、最適な返信文を生成してくれます。さらに、日程調整のメールであれば、Google カレンダーを参照して空いている日を確認して返信するといったことも可能。 「必要なときにすばやく呼び出して使えるUI・UXがsattoの強み」だといいます。 AIに毎回プロンプトやコンテクストを入力して指示を出すのはとても面倒です。メールを見た瞬間に、AIにその後の対応を丸投げしたいというのが多くのユーザーの本音でしょう。 PCに常駐し、そのときの状況に応じたアクションが提案されるsattoは、そんな「丸投げ体験」を実現するものです。 現在は、メール対応のような業種を問わず多くのユーザーが必要とする機能を主に開発していますが、今後、業界に特化した用途でも活用の可能性があるといいます。 たとえば、カスタマーサポートであれば、顧客からのメールでの問い合わせに対して、これまでの顧客対応ドキュメントに基づいて同様の返信を行なわせることが可能。 セキュリティ対策など準備は必要になるものの、「運用に乗せることができればインパクトは大きい」と平岡さんは話します。