子どもの成績が伸びない原因は、私にあった!? 間違った子育てを立て直すための決断は…【シングルマザーの中学受験 奮闘記|全寮制中高一貫校までの道のり】
一身独立の道が拓けるか?「全寮制中学」という選択肢
忙しい最中、無理をお願いして1年ぶりに塾長と面談をすることになりました。面談が始まるや否や、私はいきなり切り出しました。 「もう成績については期待しません。先生方にもうるさく申しません」 と言うと、 「お母さん、前にお目にかかったときにも言いましたよね。男の子ってそんなもんですから…。これからですよ。6年生からでも変わる子もたくさんいますから。お母さんが諦めてどうするんですか?」 と諌められました。 「先生にそうおっしゃっていただいても、私は学業について期待していないんです。それよりも、息子には自立した大人になってほしいのですが、どうしたらいいと思いますか?」 とこたえを求めて詰め寄るように質問しました。 「自立ですか、人生において最も大切なことだと私も思いますよ。“自主・自立”という教育方針を打ち出している私立中学校は、ここ最近非常に増えています。社会的な問題を背景にしているのでしょうか…」 と塾長。そう言って、いくつかの私立中学校のパンフレットを見せてくださいましたが、私の求めているものとは乖離がありました。 「ご紹介いただいた学校は、確かに自主・自立を謳っていますよね。ですが、近隣の中学校だと結局“ママ、ママ”と私にまとわりついて、何一つ自分で考え行動できる人にはなれないような気がするんです。うちは母子家庭なので、子どもが頼れるのは私しかいないから余計です。いくら学校が自主・自立を打ち出していたとしても、うちの子どもが福沢先生のいう一身独立するイメージが持てないんですよね…」 と告白すると、「清宮さんは、母子家庭だったんですか。じつは私も母子家庭育ちなんです」と塾長。 「近隣の中学校だと甘えてしまうということは、全寮制の中学校でもいいということですか? そうであれば、選択肢は日本全国に広がりますね。でも、お母さん。大丈夫ですか? 遠くに行ったら、なかなか息子さんに会えなくなりますよ。共同生活に馴染めるかどうかも心配なところですよね。それによくあるケースですが、いざ全寮制に行くとなったら、父兄が“やっぱり手元に置いておきたい”とか“子どもと離れるのは寂しい”と言い始める方が多いのですが、本当に大丈夫ですか?」 と3度ほど念押しをされました。 「それに今の息子さんの成績だと、行きたいところに行けるとは限りませんからね。そのことも考えなくてはなりません」。 こたえが出たようだけれども、さらなる大きな問題を抱えてしまったような気分で塾を出ました。
今回の学びと葛藤《まとめ》
●「凡(およ)そ人の子のかしこきも、おろかなるも、よきもあしきも、大てい父母の教えによる事なり。」(by吉田松陰) ● 中学受験でも、成長した我が子の姿を描く必要がある ● 強く自立させたいなら、中学校から全寮制の選択肢もあり!?
執筆/清宮ゆう子