子どもの成績が伸びない原因は、私にあった!? 間違った子育てを立て直すための決断は…【シングルマザーの中学受験 奮闘記|全寮制中高一貫校までの道のり】
どういう大人になってほしいのか? 一番大切なことを見失っていた…
おろかなる母親による間違った子育てに気づいた私。子育ての基本から考え直すことにしました。まず、親として「目標とする子育て」、「成長した我が子の姿」をしっかりと描かなければならないと強く思いました。 もしも誰かに「息子さんにどんな大人になってほしいですか?」と問われたら、私は間違いなく次のようにこたえるでしょう。「社会から必要とされる人間」「人様の役に立つ人間」になってほしいと…。 決して人様から羨まれるような有名な大学に入り、有名な企業に勤めてほしいなんてことは思っていませんでした。それは、今でも変わりません。ましてや、大人物になってほしいとか、親孝行してほしいとも思いません。私が子どもに求めるものは、ただ一つ。「自立」してくれることです。親の蓄えをあてにして生きるような大人には、なってほしくないと思っているんです。 それは昔読んだことのある『坂の上の雲』(司馬遼太郎著)の中に出てくる言葉、「一身独立」に影響を受けているところがあります。ここでいう「一身独立」とは「自立」のことなんですが、もともとは福沢諭吉の『学問のすゝめ』から引用された言葉です。『学問のすゝめ』には「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼する者は必ず人を恐る、人を恐るる者は必ず人に諛(へつら)う」と書かれています。 つまり、一身独立できなければ、自分で判断せずに何事も他人任せになってしまう。頼る人がいなければ何もできないから、人の顔色ばかりうかがうようになる。そんな大人にだけはなってほしくない…。 私が息子に望むのは、まさに福沢諭吉先生がおっしゃっている「一身独立」なんですが…。 さてさて、どうやったら今のダメダメな息子を「一身独立」へと導くことができるのか、大いに悩むことになりました。あれやこれやと一人で悩んでみたところで、一向にこたえには辿り着きません。悩んだ末にどういう進路を選べば一身独立ができるのか、塾長に相談することにしました。