高配当ファンドの本命か? 新投信「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」をレビュー
株価の値上がりと高配当を両立できるとして、SNSなどで話題の「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」。 人気のインデックスファンド同様に、ポートフォリオの主軸に足り得るかもしれない魅力を秘めている。 ただ、NISAでは成長投資枠でのみ購入可能であり、分配金を再投資に回した場合、年間非課税枠を消費してしまう点は要注意だ。 資産形成の王道は、なんといってもインデックスファンドだろう。だが、最近では高配当株ファンドも注目されている。 「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」はその名称通り、米国の高配当株式に投資できるファンドだ。収益分配は年4回。株価の値上がりと高配当を両立できるとして、2024年後半にSNSなどで話題となった。 2024年9月27日の発売以降、わずか1カ月半で純資産総額は500億円を達成した本ファンド。12月上旬現在において、その額は800億円を超える。 楽天・高配当株式・米国ファンドの特徴、メリット・デメリットをまとめてみた。
米高配当株100銘柄との連動を目指す
本ファンドは、楽天のマザーファンドを通じて「シュワブ米国配当株式ETF(SCHD)」への投資を行う商品だ。SCHDは米国の高配当株に投資するファンドであり、米高配当株100銘柄から構成される「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」との連動を目指す。 つまり簡単に言えば、米国の高配当株100銘柄との連動を目指す商品といえる。当該指数の上位5銘柄は現在、次の通りだ。 順位 社名 構成比率 配当利回り 1位 ブリストル マイヤーズ スクイブ 4.4% 4.1% 2位 ブラックロック 4.3% 2.0% 3位 シスコシステムズ 4.3% 2.7% 4位 ホーム・デポ 4.2% 2.1% 5位 シェブロン 4.1% 4.1% ※各社の「配当利回り」は、Investing.comにおける2024年12月10日時点のデータを参照。 1位のブリストル マイヤーズ スクイブ(Bristol Myers Squibb)は医薬品企業、2位のブラックロック(BlackRock)は資産運用会社で、3位のシスコシステムズ(Cisco Systems)はIT大手である。4位のホーム・デポ(The Home Depot)は米でホームセンターを運営し、5位のシェブロン(Chevron)は石油大手だ。日本で頻繁に見かける銘柄ではないが、いずれも時価総額は数千億ドル単位で巨大企業である。 以前の記事でも解説したが、高配当銘柄は必ずしもベンチャー的な企業を意味するわけではない。SCHDでは大企業のなかでも比較的、配当利回りの大きい銘柄が選ばれる。S&P500全体の平均的な配当利回りが2%弱であることを踏まえると、構成銘柄の配当利回りは高いといえるだろう。