高配当ファンドの本命か? 新投信「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」をレビュー
メリット/デメリット
高配当株ファンドということもあり、同商品のメリットとデメリットとして、下記のようなものがあげられる。 メリット デメリット 短期での収益を期待できる 米国の大型株に投資できる 個別株よりリスクが低い 配当で基準価額が下落する可能性がある 銘柄選択では、企業の先端性より配当が重視される インカムゲインのパフォーマンスは低い メリット:なにより注目したいのは、年4回の配当があるため短期での収益を期待できる点だ。一般的に高配当株と聞けば、株価が安くリスクの高い銘柄を思い浮かべたくなるが、同ファンドの構成銘柄は大企業が中心で、中小企業ではない。また事実上、約100銘柄に分散投資しているため個別株よりは安全だ。 デメリット:その一方で、配当金の捻出により基準価額が下落する可能性もある。また、上記の通りS&P500と比較してキャピタルゲインは期待できなさそうだ。 ちなみに12月20日が設定日となっている「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」も本投信と同じ「シュワブ米国配当株式ETF(SCHD)」が投資対象である。配当日が1カ月違いなだけで、大きな差はない。開設した口座に合わせて、どちらかを選べばよいだろう。
つみたて投資枠には非対応
筆者は以前から、オルカンや先進国のインデックスファンドを主軸とすべきだと考えている。テーマ型の投信やETF、個別株など、他商品の構成比は少なく抑えるべきだと思うのだ。 だが、米国の大企業に分散投資している点を踏まえると、「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」の構成比は高くても良いかもしれない。高配当を得ながら、米インデックスファンドの安定性を兼ねる性質を持っている。 なお、同商品はNISAのつみたて投資枠には対応しておらず、成長投資枠でのみ購入可能だ。分配金は受取型の場合、非課税で受け取れるが、再投資型を選択した場合、再投資額で年間非課税枠を使ってしまう。その点は、要注意だ。 ※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
山口伸