勉強できる子の親ほど「学校の勉強」を重視する理由は? 小学校低学年の学習サポート
学校の勉強をなめさせるな
親が手伝って、どんどん先を勉強させていくと、「学校の勉強は簡単すぎてつまらない」という感覚を持つ子も出てきます。 しかし、学校の勉強をなめてしまうと、先生の話を聞かないようになってしまいます。その結果、気づいたときには学校の授業についていけなくなっていたなどということが出てくる可能性がないとはいえません。 ですから、おさらいの大切さをきちんと子どもに諭しておく必要があります。小学校1年生くらいですと、まだ復習や、おさらいという概念がよくわからないかもしれませんので、別の言い方で工夫をしてみましょう。 たとえば、「一回覚えたことを、もう一回聞くとすごく頭がよくなるんだよ」とか「学校というのは、授業を聞くところなんだから、いくら簡単なことでもきちんと聞きなさい。パパやママとは違う教え方をするかもしれないから、そうしたら教えてね」などいろいろな理屈が考えられます。 親がどんどん先を教える場合でも、「学校の授業をきちんと聞く」という態度だけは身につけさせておきましょう。そういう基本的な授業態度やマナーを守らせたうえで、家庭内では学校よりもどんどん先に勉強を進めていけばよいのです。
学校であったことを話させる習慣をつける
学校でどんなことを習っているのか、それを簡単と感じているのか、難しいと感じているのかなどを知るためには、その日に学校であったことを、必ず話す習慣を身につけさせておくことが重要です。 その日に学校であった出来事、とくに楽しかったことを話させて、学校をおもしろいと思っているのかどうかということを確実にチェックしておく必要があります。 つまらないと感じているようであれば、それは友人関係がつまらないのか、勉強がわからないからつまらないのかということを、話を聞いて探っていきます。勉強でつまずいているようであれば、「今日学校で習ってきたことを教えて」と聞いてみれば、本人が中途半端にしか理解していないことについてもきちんと把握できるものです。 ただし、子どもの話を毎日聞いてあげるというのは、親にとっては根気のいることです。子どもがかわいくてかわいくてしょうがないうちは、何を聞いても楽しいのですが、小学校低学年の会話には、大人から見ればレベルの低い話がたくさん出てきますし、ともかく授業の進み方はおそろしく遅いのですから、毎日の授業の話を聞いていたら、「子どもの話は退屈だ」と感じてきてしまいます。 たとえ、1日目はおもしろそうに聞けても、2日目も3日目も同じような話をされるのですから、だんだんとつまらなくなります。しかし、そこでつまらなそうな顔をしてはダメで、つまらないと思ってもきちんと話を聞いてあげることによってはじめて、親に話をする習慣が生まれてくるのです。 話を聞いてみて、新しく習ったことがわかるようになった感じであれば褒めてあげ、勉強を難しく感じ始めていそうだと思ったら、「じゃあ、ママがちょっと問題つくってあげるからやってみようよ」などと言って、その部分をきちんと確認していきます。 「なあんだ、習ったのにできないじゃん」というような気軽な感じでさらにコミュニケーションを深めていけば、子どももどんどん話をするようになりますし、勉強でのつまずきをいち早く発見することもできます。 このようなコミュニケーションを続けていれば、急に話をしなくなったときに、「何かあったんじゃないか」などとすぐに察知できるようになります。勉強がわからなくなったのかもしれないし、友だちとけんかをしたのかもしれない。あるいは、いじめにあっているのかもしれません。 家に帰ってきて必ず学校のことを話すような親子関係をつくっておけば、学校でいじめられている場合などにも、その兆候を早いうちからとらえることが可能になってくるでしょう。