WBCに挑む侍ジャパンの「悔しさを知る5人が背負う役割」とは?
WBCでのV奪回を狙う侍ジャパンのメンバー28人が、いよいよ今日23日から宮崎で合宿をスタートさせる。出場メンバーは宮崎、沖縄の所属チームのキャンプ地で一足早くキャンプを打ち上げているが、「必ず世界一を奪還します。1(ワン)ダホー」と、気合を入れたのがソフトバンクの松田宣浩内野手(33)だ。 「真の代表が選ばれたんだと思う。その自信と誇りを持って戦うだけ。言い訳なしの強い気持ちでやるだけ。連続でWBCを経験させていただき、これほど光栄なことはない」 2大会連続出場となる松田の胸に刻まれているのは、プエルトリコに敗れ、準決勝敗退となった4年前のサンフランシスコでの苦い記憶である。 「ゲームセットの瞬間、ああ負けたら、こういう気持ちを味わうんだと思った。第1回、2回大会を勝った先輩たちは、この思いを味わうことなく頂点を見れたんだとも考えたし、負けた感、終わった感が凄かった」 準決勝のプエルトリコ戦に「9番・三塁」で先発出場した松田は、0-1で迎えた5回二死一、二塁の同点チャンスに、デラトーレ(レッドソックス傘下)のスライダーの前にスイングアウトの三振。そして8回のあの議論を呼んだ重盗失敗のイニングは、実は松田が先頭打者としてショートゴロに倒れていたのである。 「あの悔しさ、借りを返す場は、4年間待たねばならなかった。4年間で一度でも大きな怪我をしていれば選ばれない。安定した成績が第一に必要だし、WBCの場に帰ってくるためには、オールスターに選ばれるような活躍を4年間続ける必要があった。しかも筒香のような新しい力が出てくる。彼らにも負けられなかった。ペナントレースを戦う中でも、そういう思いが心の片隅にずっとあった」 今大会のメンバーには松田も含めて前大会の悔しさを知るメンバーが5人入った。松田、内川聖一外野手(34)、巨人の坂本勇人内野手(28)、日ハムの中田翔内野手(27)、そしてピッチャーの牧田和久(32)の5人である。 “熱男”と呼ばれるガッツあふれるプレーでアストロズの青木宣親外野手(35)と共にチームリーダー役が期待されている松田は言う。 「僕に内川さん、勇人(坂本)、翔(中田)、牧田がサンフランシコの地で悔しさを感じた5人。僕ら経験者が、どんとベンチに座って、筒香や鈴木誠也らの若手がノビノビとプレーできる雰囲気を作らないといけないと考えている。前大会では、阿部(慎之助)さん、松井(稼頭央)さん、稲葉(篤紀)さん、井端(弘和)さんらが本当に頼りになって、その存在が頼もしかった。今回はその役割を悔しさを知る5人と、青木さん、嶋らが背負う年代だと考えている。それを心に置いて宮崎合宿に入っていく」 熱いリーダー宣言だった。