生まれ変わった警報は「本当にやばい時のシグナル」、豪雨災害から身を守る
── それでは、それぞれの色の時にどのような行動を取ったらいいのでしょうか。 高木調査官 黄色の時は、こまめに情報を見て、状況が変わらないかどうかを確認しましょう。「心の準備」の段階ですね。赤になったら、いつでも避難に移れるように準備をして、準備が整い次第、速やかに避難を開始することが望まれます。うす紫や濃い紫の時は、重大な災害の恐れが高まっていて、一部では災害がすでに発生しつつある段階です。危険な場所が出始めている可能性もあるので、川の水位計などの現況も確認し、周囲の状況に気を配りながら、避難など命を守る行動を取ってください。ただし、濃い紫の場合は、重大な災害がすでに発生している可能性が高く、避難するのにも相当な危険を伴う深刻な状況です。この濃い紫の段階で行動を取っていては命が助からない可能性がありますので、遅くともうす紫の段階までに安全を確保してください。 ── 自分の住んでいる場所や職場の近くの川の色に注目すれば良いわけですね。ちなみに、注意や警戒、危険というのは何年に1度ぐらいの頻度で起きるのでしょうか。 高木調査官 赤は過去データから重大な洪水災害となりうる水準、これが警報が出る基準で、30年に1度ぐらいの状況です。この基準をまもなく超えそうというときに洪水警報が出るのですが、都道府県の河川管理者などに聞くと「実際にその基準を超えたら、あちこちの中小河川で氾濫が発生してもおかしくないような恐ろしいレベル」との答えが返ってきます。紫はさらに1割程度高い値で50~60年に1度の水準です。その基準を超えそうだという時はうす紫、すでに超えてしまっている時は濃い紫です。濃い紫の場合は、すでに川からあふれた水で道路冠水などが起き、避難そのものが不可能になっている状況も十分考えられます。
── 他の注意点はありますか。 高木調査官 洪水警報の危険度分布のページを見て、今自分がいる場所の近くの川が水色や黄色でも、すぐに安心せず、上流がどうなっているかを見てください。もし上流でうす紫や濃い紫が出ていると、これが下流に移動してくる傾向があります。川の場合は上流の色を見て、準備、行動をすることを心掛けてください。あとは、もし雨が降っている時に「ちょっと降り方がいつもと違うかも」「雨ってこんなに強く降るものだったかな」などと感じることがあれば、危険度分布を開いてください。早めに情報を入手することで、余裕を持って行動できるようになると思います。