「違う扉が開いちゃったかも」…アメリカ人男性が大感激したグロテスクな「日本の鍋料理」の正体
「痛風鍋」って何?
この動画の中でMomokaさんのインタビューを受けたのは、アメリカ・シカゴ出身のニックさん。彼自身も、日本について配信するためのYouTubeチャンネルを開設したそうだ。 ニックさんの一番好きな日本食を尋ねると、「難しい質問」と少し悩みながら、「たぶんトンカツかな」と答えてくれた。一番に迷うほどにはいろんな日本食を食べているであろうニックさんに今回Momokaさんが紹介するのは、「痛風鍋」だ。痛風鍋とは、魚卵や魚介の内蔵など、その名のとおり痛風の原因となるプリン体をたくさん含む食材をこれでもかと使った海鮮鍋。おいしいけれど罪悪感のある食べ物だ。「痛風鍋」と聞いて、「鍋はわかるけど、“痛風”って何?」とニックさんは想像どおりの反応を返してくれる。答えは実際食べてみてのお楽しみだ。 訪れたのは、渋谷にある居酒屋「かいり」。痛風鍋や牡蠣などの海鮮料理が人気のお店だ。「鍋は好きだけど痛風って何~?」とずっと気になる様子のニックさんと、とりあえず梅酒で乾杯。 ひと息ついて、Momokaさんから「なぜ日本に来ようと思ったの?」という質問。ニックさんの趣味はいろんな国に行くことだが、「日本が良すぎて気づいたら4年も経っていた」そうだ。アメリカにいたころからアニメやゲームが大好きで、実際に日本に訪れてみると、ワクワクするその魅力にどっぷりとハマってしまったのだという。また、日本での趣味のひとつは神社めぐりで、神社に行くと心が穏やかになるという。このように、来日してから見つけた趣味もあるらしい。
グロテスクな食材のオンパレードだけど……
そして、いよいよ気になっていた「痛風鍋」の登場だ。鍋に山盛りにのっているのは、エビ、あん肝、白子、タコ、牡蠣などなど。 Momokaさんはひとつひとつ何のどういう部位なのか説明しながら、一番驚かれるであろう白子についても紹介する。「食べたことある?」と聞くと、「うわさには聞いてる。精巣っていうより脳みそみたいだ」と意外と冷静なニックさん。4年も日本で暮らしているとさすがに白子の存在を知ってはいるようだ。 ここで「痛風鍋」の意味についてもMomokaさんから説明がある。風が吹いただけでも痛みが生じる関節炎の痛風。もちろん痛風患者は世界中にいるし、予備軍は1000万人以上いるともいわれる。この説明を聞いて前向きに「さあ食べよう!」と言う人はいないだろう。ニックさんも微妙な反応で「ググってみる」と「痛風」「プリン体」について検索するが、「英語でもわからない」と笑う。痛風鍋というネーミングについては「改名したほうがいい。じゃあハンバーガーはこれから糖尿バーガーと名付けるべきだ」と提案した。 名前は物騒で見た目もややグロテスクな鍋だが、食べるとおいしい。ニックさんもひと口食べてスープを飲むと、「お出汁に肝の味が溶け出してる」とコメント。あんこうの肝臓であるあん肝はひと言では言い表せない複雑で深い味だが、「ツナの味に似てる」「あん肝っておいしいんだね、ハマりそう」と高評価。魚の肝自体はじめて食べるそうだが、ニックさんは食べなれないもの、見知らぬ食べ物への恐れがない。そして、「見た目がえげつないけど、食べてみよう」と白子にもチャレンジする。「魚の精巣」というのが頭をよぎるのか、「違う扉が開いちゃったかも。精巣っておいしいんだね」「精巣食べたなんて信じられない。でも味は最高」と笑いが止まらない。 殻ごと入ったエビは、「この足も食べられるの?本当に?」とMomokaに聞きながら殻だけ剥いてひと口。牡蠣やタコ、野菜、いろんな具材それぞれの味を丁寧に味わった。特にあん肝が気に入ったらしく、「今日はこのあん肝に度肝を抜かれてしまった。味つけもほどよくて素晴らしい」とニックさん。「アメリカ人にも受け入れられるかな?」とMomokaさんが聞いてみる。「あん肝は大丈夫だけど、白子は抵抗がある人が多いと思う。こんなにおいしいのにね」と答え、それぞれの具材をおかわりした。 「痛風鍋」という今回のチョイスに、チャンネルの視聴者からは「この人偉い! 私、とても食べられない」「なかなか難易度の高い料理を食べさせていて凄い! でも美味しそうに食べてるね~。見ていて爽快でした」「それにしても彼は、チャレンジャーだね。楽しく食べている感じに好感がもてます」と驚きの声も上がったが、日本人でも苦手な人が多い食材に挑戦するニックさんの姿は印象に残ったようだ。 「痛風にはなりたくないけど、これは食べ続けたい」と言うニックさん。痛風鍋で本当に痛風になったという話はあまり聞かないので、これからも時々楽しんでもらいたい。
フリート編集部