片づけでもっとも重要なのは<家の適正量>を把握すること。「いらないモノを捨てれば捨てるほど、本当に必要なモノ・いいモノだけ残る」
◆モノ選びにこだわる人は自分を大事にできる人 それは自分を知ることにつながります。自分を大切にすることにもつながります。 本当にいるモノだけをきちんと選び取っている人は、自分のことも大切にしています。 逆に、モノを適当に選んでいる人、捨てもせず、使いもせず、ただ持っているだけの人は、自分のことをあまり大事にしていないようにみえるのです。 「家庭力アッププロジェクト(R)」の受講生に「寝る時に何を着ていますか」と聞いたことがあります。 すると「高校時代に学校で買わされたTシャツ」と答えた人がいました。 それはすでに首元がダランと伸びているけれど、どうせ寝ているのだから何でもいいと言うわけです。 でも、寝ている時間は1日の約3分の1もあります。 その時間をヨレヨレのTシャツで過ごしていいのでしょうか。 朝起きた時、まず目に入る服がヨレヨレの古いTシャツでいいのでしょうか。 私は睡眠時間はとても大事だと思いますし、お気に入りのパジャマで寝たほうが気分良く寝られると思うのです。 だから、いいパジャマを着て、質のいい睡眠を取りたい。 それが自分を大切にすることだと思います。
◆片づけ前の「思考のチェンジ」とは モノのバランスを保つことは、暮らしの質を上げることにつながります。 片づけた後、あなたの生活の質は上がるはずです。 あなた自身だけでなく、家族の生活の質も上がるはずです。 いるモノだけを選ぶことは、自分を大切にすることです。 自分を大切にできる人は、家族も友人も、そしてモノも大切にできる人だと思います。 これまでは、片づかない理由やその奥にある心理についてお話ししてきました。 ご自身への理解がだいぶ深まってきたのではないでしょうか。 ここでもう一歩進んで、これまでの自分の”当たり前”を疑い、勇気をもっていったん捨ててみましょう。
◆片づけられる人の”当たり前”にチェンジ 1 買ったら捨てる→→→捨てたら買う 欲しいモノを見つけた時、「家に帰ったら古いのを捨てればいい」と言い訳しながら買っていませんか? それで実際、古いほうを捨てたことがありますか? 買ったら捨てるのではなく、捨てたら買うに逆転してしまえばいいのです。 手放してから買う。 気持ち的にも大きなチェンジになると思います。 2 好きだから買う→→→これからの私に必要だから買う 好きだから買ってしまう。 一見もっともですが、それ、買わないと夜も眠れませんか? これからのあなたに必要ですか? いったん立ち止まるクセをつけると、「好きだから」の衝動買いが減ります。 片づけが終わった後のあなたの生活は今とは違うはずです。あなた自身が変わっているはず。 片づけた後の「グレードアップした私」に必要なモノだけを買うことにしましょう! 3 大切に取っておく→→→使い切ってこそモノの役目と心得る カワイイから、好きだから、思い出の品だから……大切に取っておいたはいいけれど、使わないので結局、押し入れの奥へ奥へと押しやられ、ある瞬間、見るとカビが生えていた……。 悲しいですよね。 取っておいた意味がありません。 大切なモノは大事に取っておくよりも、使い切ってその役目を全うさせてやることが、本当に大切にしたことになるのだと思います。 ※本稿は『キッチン「から」片づければ、家は必ずキレイになる!』(小学館)の一部を再編集したものです。
西崎彩智