【文蹴両道】大宮高校 長岡凛さん#1「隙間時間を利用することがとても有効」
1991年に設置された埼玉県立大宮高校の理数科は、県内の秀才が集まる最難関クラスだ。OBで東大大学院の齋藤継之教授は、セルロースナノファイバーという軽量で強度が高いバイオマス素材の共同開発により、“森のノーベル賞”と言わるマルクス・ヴァーレンベリ賞を2015年にアジアで初めて受賞した。 この3月に理数科を卒業した長岡凛さんに、サッカー部での活動と学業に精進した3年間の学校生活を振り返ってもらった。 ――まず大宮高校の理数科に進んだ動機を教えて下さい。 県内トップの専門学科であることが一番の理由です。合格する自信ですか? まあまあ、ありました。 ――学び合い、尊敬し合う“チーム大宮”という固い結び付きが、学校のカラーのようですね。 ここで出会ったたくさんの仲間というのは、誰もが自分で自分のことを考えられ、将来についてもしっかりと道筋をつけている人ばかりなんです。学力を含めていろんな力を持っている人がいて、自分もそういう大勢の仲間からとても大きな影響を受けました。 ――得意な科目と苦手な科目は何でしょうか? 一番好きなのは英語で、不得意な科目はほとんどありませんが、強いて挙げれば国語ですかね。 ――理数科なので、数学や化学などはお手のものではないですか? う~ん、どうでしょうかね。どちらかと言うと自分はバランス型なんですよ。クラスメートは物理や数学、生物なんかが飛び抜けてできるんです。その人たちに比べるからあまりできないのかなとも思いますが、まあ普通のレベルくらいには達しているのではないでしょうか。 ――苦手な科目はどうやって克服しているのですか? ただ、ひたすら頑張ってやるだけです。まず、なぜできないのかを徹底的に考え、例えば古文だったら単語を理解できないから読めないとか、文法の知識がないから分からないということを一つ一つ解決していく感じです。 ――サッカーはいつから始めたのですか? 小学1年生から所沢市の少年団、宮前サッカークラブで始め、中学はBOCA JAPANサッカースクール飯能校でプレーしていました。中学はサイドバックか中盤で、高校は最初FWだったのですが、2年生からMFを担当しました。 ――部活動と勉学をともにやり切るのは大変なことだったと思いますが、両立するのにどんな工夫をしたのでしょうか? 自分は通学するのに片道で1時間20分くらい掛かるので、電車の中では英語や古文の単語帳を使って勉強しました。そのほかにもちょっとの時間ですが、空いている時間、いわゆる隙間時間を利用することがとても有効だし、大事なことだと感じましたね。 ――平日の平均的な1日というのは、どんなふうに過ごしましたか? 午前5時に起床すると、英単語とか簡単にできるものを10~20分くらい勉強し、6時に家を出ます。学校から最寄りのさいたま新都心駅に7時半に着き、友人を待ちながら少し勉強し、学校に到着したらホームルームが始まる8時35分までを予習に充てました。午後3時半に授業が終わり、4時から2時間半ほどが部活動の時間で、7時に学校を出ます。8時半に帰宅してからは、入浴と夕食を済ませて10時半には床に就きます。これが典型的な平日の日課でした。